円朝ゑんてう)” の例文
旧字:圓朝
さうすると円朝ゑんてうさん、その死骸しがいういふ潮時しほどきであつたか知らないが、流れ/\て塩原しほばらまへ桟橋さんばしへ着いたさうだ。
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
その親戚は三遊派さんゆうはの「りん」とかいふもののおかみさんだつた。僕のうちへ何かの拍子ひやうし円朝ゑんてう息子むすこ出入しゆつにふしたりしたのもかういふ親戚のあつた為めであらう。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
円朝ゑんてうも去れり紫蝶してふも去れり。
偏奇館吟草 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
と死んでプウと息の止まつた時に此心このこゝろ何処どこくかとふ……何処どこまゐりませう、これ皆様方みなさまがたうかがつたら何処どこおつしやるかりませんが、円朝ゑんてうにはわかりません。
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
えゝ一席いつせき申上まうしあげます、明治めいぢ地獄ぢごくも新作とまうほどの事でもなく、円朝ゑんてう先達せんだつ箱根はこね逗留中とうりうちう宗蓮寺そうれんじ地獄極楽ぢごく/\らくを見まして、それからあんきましたおみじかい落語おとしばなしでございますが
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
... 八代目だいめだんらう市村羽左衛門いちむらうざゑもん怪談くわいだん沢村宗さはむらそうらう御殿女中ごでんぢよちう怪談くわいだん岩井半いはゐはんらう怪談くわいだん其他そのた聞いた事見た事を種々いろ/\集めてゐるんですが」とふと、是真翁ぜしんをうが「円朝ゑんてうさん、めう怪談くわいだん種子たねがある。 ...
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
人間が死んで地獄ぢごくくとか、ぜんしたるもの極楽ごくらく昇天しようてんするとか、宗教しうけうはうでは天国てんごくく、悪国あくこくおちるとふ、何方どちらが本当だか円朝ゑんてうにはわかりませんが、地獄ぢごくからどうせ郵便のとゞいたためしもなし
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)