仕送しおく)” の例文
たのみ彼の金子を以て何方いづかたへか住込仕送しおくり用人に成んと心掛けしに幸ひ嘉川家にて仕送り用人を召かゝへたしとのことに付多兵衞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
道子みちこ三月みつきたゝぬうち立派りつぱかせにんとなり、はゝへの仕送しおくりにはなんとゞこほりもなくやつてつたが、ほどなく其母そのはゝ急病きふびやうんでしまひ、道子みちこはそれから以後いごみせかせかね
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
然しおつと仕送しおくりが途切れて、仕方なしにおやの里へ帰るのだから心配だ。おつとくれに居てながらく海軍の職工をしてゐたが戦争中は旅順の方に行つてゐた。戦争が済んでから一旦帰つて来た。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
伏見戦争のあとで直ぐ、朝命てうめいを蒙つて征討将軍のみや随従ずゐしうし北陸道の鎮撫に出掛けたと云ふ手紙や、一時還俗げんぞくして岩手県の参事さんじを拝命したと云ふ報知しらせは、其の時々とき/″\に来たが、すこしの仕送しおくりも無いので
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
そしてせがれからふだけの仕送しおくりをもらつてる樣子やうすである。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
しらせけるにそ初瀬留は打驚うちおどろ早速さつそくきたりて吉之助にひ私し故に御勘當ごかんだうの御身となられし由さぞかしにくき者と思召おぼしめされんが此上は私し何事も御見繼おみつぎ申さんにより何處いづくへも行き給はず五八の方に居給へとて夫より呉服屋ごふくやへ言ひ付吉之助が衣類いるゐ其外そのほか何不自由なにふじいうなくおくりければ是ぞ誠に鷄卵たまごに四かく眞實しんじつ仕送しおくらるゝ身は思ふなるべし或日五八は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)