人通ひとどほり)” の例文
つちがまだそれなりのもあるらしい、道惡みちわるつてはひると、そのくせ人通ひとどほりすくなく、バラツクだてのきまばらに、すみつて、めうにさみしい。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
モンマルトルの中心と云はれる大通おほどほりは十二時を越えて不夜城の明るさを増すと云ふ巴里パリイ唯一の遊楽街いふらくまちだが、この酒場キヤバレエのあるのは大通おほどほりから四ちやういり込んだ高地で、昼間さへ余り人通ひとどほりが無いのだから
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
うしてその時分じぶんぢやからといふて、滅多めツた人通ひとどほりのない山道やまみち朝顔あさがほいてるうちけぶり道理だうりもなし。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しつ! だまつて/\と、くばせして、衣紋坂えもんざかより土手どてでしが、さいは神田かんだ伯父をぢはず、客待きやくまちくるまと、はげしい人通ひとどほり眞晝間まつぴるま露店ほしみせしろ西瓜すゐくわほこりだらけの金鍔燒きんつばやき
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
いま見附みつけさかりかけると、眞日中まひなかで、ちやう人通ひとどほり途絶とだえた。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)