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ふりがな文庫
“
事
(
こ
)” の例文
「だから、いわない
事
(
こ
)
ッちゃない。」と蘿月は軽く握り
拳
(
こぶし
)
で
膝頭
(
ひざがしら
)
をたたいた。お豊は長吉とお糸のことが
唯
(
ただ
)
何
(
なん
)
となしに心配でならない。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
... 思切って
緞子
(
どんす
)
か
繻珍
(
しゅちん
)
に換え給え、」(その頃
羽二重
(
はぶたえ
)
はマダ
流行
(
はや
)
らなかった。)というと、「緞子か繻珍?——そりゃア華族様の
事
(
こ
)
ッた、」
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「エエ、そりゃあやさしい
事
(
こ
)
ってすけど……こんなとこでポイポイ云っちまうにはおしい話だから私がお話ししたくなった日に云いましょう」
芽生
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
『だから、云わない
事
(
こ
)
っちゃあないんだわ。また貸しなんか止せばいいのに——。貴方は余り慾張り過ぎるから、こんな事になっちまうんだわ』
耳香水
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
中々私等の身分で新地で散財するちゅうような事はでける
事
(
こ
)
っちゃおまへんが、費用はなんぼでも出るので、お大尽さんになって、茶屋遊びだす。
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
▼ もっと見る
「そんなに長く
逗留
(
とうりゅう
)
する気なんですか。あぶねえ。およしなせえ。益もねえ
事
(
こ
)
った。
碌
(
ろく
)
でもねえものに引っかかって、どんな目に逢うか解りませんぜ」
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「飼い犬に手エ
咬
(
か
)
まれるとはこの
事
(
こ
)
ッちゃし。姉ちゃんにかてあない色々してもろといて何不足やねんやろ。」「そしたらやっぱり綿貫に買収しられたんやろか。」
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「機は同じ
事
(
こ
)
つたすけれど、筬が違ひます。音のよろしいのを好く人は筬を別段に吟味しますのや」
斑鳩物語
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
『蹈んだら、蹈んだと言ひねえな、確かに私が、蹈みましたと詫びりや、すむ
事
(
こ
)
ツた。おい。』
二十三夜
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
俺
(
おれ
)
でさえぞくぞくする、病人はなおの
事
(
こ
)
ッた、お客様ももう
御寝
(
げし
)
なりまし、お鉄や、それ。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今度だつて左樣でせう、自身が遠い處へ行くに旅費だつて要らん筈がないのに、財産一切を賣つて僕の汽車賃にしようと云ふのですもの。これが普通の人間に出來る
事
(
こ
)
ツてすかネ。
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
余儀所
(
よんどころ
)
ないから私が面倒な思いをして
拵
(
こし
)
らえて附けましたアネ……アアアア
偶
(
たま
)
に
人
(
しと
)
が気を
利
(
き
)
かせればこんな
事
(
こ
)
ッた……しかし飛んだ余計なお世話でしたヨネー、誰れも頼みもしないのに……鍋
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「だから、
云
(
い
)
はない
事
(
こ
)
ツちやない。」と
蘿月
(
らげつ
)
は軽く
握
(
にぎ
)
り
拳
(
こぶし
)
で
膝頭
(
ひざがしら
)
をたゝいた。お
豊
(
とよ
)
は
長吉
(
ちやうきち
)
とお
糸
(
いと
)
のことが
唯
(
たゞ
)
何
(
なん
)
となしに心配でならない。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
昔から云つてる
事
(
こ
)
つてすが日本人は公共思想が乏しくて商売をしても
他
(
ひと
)
を倒すことばかり考へて商売其物を発達せしめやうといふ考へは無い。
青年実業家
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
崩折れるように腰を下すと、ほうッと大きな溜息を
吐
(
つ
)
いて、思わず心に呟いた。俺の知った
事
(
こ
)
ッちゃないんだ。
黒猫十三
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
「エエそんな事おっしゃるまでもない
事
(
こ
)
ってすわ、あなたあしたおひま? ここで又製図なさる?」
千世子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
今度だつて左様でせう、自身が遠い処へ行くに旅費だつて要らん筈がないのに、財産一切を売つて僕の汽車賃にしようと云ふのですもの。これが普通の人間に出来る
事
(
こ
)
ツてすかネ。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
実際また商業学校で教へる位の
片端
(
かたはし
)
を
噛
(
かじ
)
つたつて何の役に立つもんですか、無駄な
事
(
こ
)
つた。
此
(
この
)
金の足りない中で、殊に経費少ない文部省が
這般
(
こん
)
な無用の学校に銭を棄てるのは馬鹿げてる。
青年実業家
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
何處へと聞いても唯遠い處と許りで、別に話して呉れませんでしたが、天野君の
事
(
こ
)
ツてすから、何でも復何か痛快な計畫があるだらうと思ひます。考へ込んで居たのも其問題なんでせうネ。
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
ほんとうに、もうあきあきするほど長い
事
(
こ
)
っちゃあないかい。
栄蔵の死
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
向けて、逃げ出して行った、あの調子でやる
事
(
こ
)
ったわ
耳香水
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
何処へと聞いても唯遠い処と許りで、別に話して呉れませんでしたが、天野君の
事
(
こ
)
ツてすから、何でも
復
(
また
)
何か痛快な計画があるだらうと思ひます。考へ込んで居たのも其問題なんでせうね。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
ほんとにそんな事出来る
事
(
こ
)
っちゃあない。
お久美さんと其の周囲
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
何にも死ぬときまった
事
(
こ
)
っちゃあなし
悲しめる心
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
ええさぞ結構な
事
(
こ
)
ってしょうよ。
千世子(三)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
“事”の意味
《名詞》
事(こと)
ある一時期におこる、まとまったひとつらなりの動き。ことがら。できごと。
他の語句を体言にする。
予定、必然や軽い命令を表す。
(出典:Wiktionary)
“事”の解説
事(こと)、事(じ)。
(出典:Wikipedia)
事
常用漢字
小3
部首:⼅
8画
“事”を含む語句
事情
事実
事件
他事
好事
食事
何事
好事家
事實
事故
大事
無事
仕事
情事
事業
徒事
善事
曲事
一事
万事
...