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久方
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ひさかた
ふりがな文庫
“
久方
(
ひさかた
)” の例文
「そうだ。お前も、知っているな。きやつが、
久方
(
ひさかた
)
ぶりに
岩槻
(
いわつき
)
より出府して参って、たずねると申してきている。待たずばなるまい」
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
火事の危険であった話や、父に
扶
(
たす
)
けられた話や、
久方
(
ひさかた
)
ぶり、母との対面や何やかやで、
雑炊
(
ぞうすい
)
を食べなどしている
中
(
うち
)
、夜は
白々
(
しらじら
)
として来ました。
幕末維新懐古談:15 焼け跡の身惨なはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
新宇宙艇の二重になった丸い出入口は、
久方
(
ひさかた
)
ぶりで内側へ開かれた。一行四名はマスクをして艇長を先頭に外へ出ていった。
月世界探険記
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
すなわち『万葉集』巻四の「念はじと曰ひてしものを
唐棣花色
(
はねずいろ
)
の、
変
(
うつろ
)
ひやすきわが心かも」、同巻八の「夏まけて咲きたる
唐棣花
(
はねず
)
久方
(
ひさかた
)
の、雨うち降らば
移
(
うつ
)
ろひなむか」
植物一日一題
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
画は
旨
(
うま
)
く出来てゐるが、
傍
(
そば
)
に
久方
(
ひさかた
)
の雲井の空の
子規
(
ほとゝぎす
)
と書いてあるのは、何の事だか判じかねた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
物靜
(
ものしづ
)
かにつヽましく
諸藝
(
しよげい
)
名譽
(
めいよ
)
のあるが
中
(
なか
)
に、
琴
(
こと
)
のほまれは
久方
(
ひさかた
)
の
空
(
そら
)
にも
響
(
ひヾ
)
きて、
月
(
つき
)
の
前
(
まへ
)
に
柱
(
ちゆう
)
を
直
(
なほ
)
す
時
(
とき
)
雲
(
くも
)
はれて
影
(
かげ
)
そでに
落
(
お
)
ち、
花
(
はな
)
に
向
(
むか
)
つて
玉音
(
ぎよくおん
)
を
弄
(
もてあそ
)
べば
鶯
(
うぐひす
)
ねを
止
(
とヾ
)
めて
節
(
ふし
)
をや
學
(
まな
)
びけん
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私は最近、二科の会場でパリ以来
久方
(
ひさかた
)
ぶりの
東郷青児
(
とうごうせいじ
)
君に出会った、私は東郷君の芸術とその
風貌
(
ふうぼう
)
姿態とがすこぶるよく密着している事を思う。なお特に私は彼自身の風貌に特異な興味を感じている。
油絵新技法
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
久方
(
ひさかた
)
の
天
(
あま
)
つ
金山
(
かなやま
)
加佐米山
(
かさめやま
)
雪ふりつめり妹は見つるや
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
久方
(
ひさかた
)
の月のかつらのをりを得て
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
久方
(
ひさかた
)
の光に飛ぶを。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
父上……と聞いて、壺よりも、
久方
(
ひさかた
)
ぶりにめぐりあった左膳その人に、多大の関心を持っている櫛巻きお藤は、そそくさと膝できざみ出ながら
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
久方
(
ひさかた
)
ぶりで懐しい日本人に会えた
悦
(
よろこ
)
びも、この沈没さわぎで煙のように消えてしまった。どうしてこうもよくないことが丁坊の行くところへ重なってくるのだろう。
大空魔艦
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
三四郎がのぞくやいなや隣の男はノートを三四郎の方に出して見せた。絵はうまくできているが、そばに
久方
(
ひさかた
)
の
雲井
(
くもい
)
の空の
子規
(
ほととぎす
)
と書いてあるのは、なんのことだか判じかねた。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その人は
高村東雲
(
たかむらとううん
)
という
方
(
かた
)
だが、
久方
(
ひさかた
)
ぶりに
此店
(
ここ
)
へお
出
(
い
)
でなすって、安さん、誰か一人
好
(
い
)
い弟子を欲しいんだが、心当りはあるまいか、一つ世話をしてくれないかと頼んで行ったんだ。
幕末維新懐古談:03 安床の「安さん」の事
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
私は最近、二科の会場でパリ以来
久方
(
ひさかた
)
ぶりの
東郷青児
(
とうごうせいじ
)
君に出会った、私は東郷君の芸術とその
風貌
(
ふうぼう
)
姿態とがすこぶるよく密着している事を思う。なお特に私は彼自身の風貌に特異な興味を感じている。
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
久方
(
ひさかた
)
の光に飛ぶを。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
まるでゲーテが、
久方
(
ひさかた
)
ぶりで街で愛人ベアトリッチェに行きあったような恰好であった。
脳の中の麗人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
正太は、その足で、
久方
(
ひさかた
)
ぶりにわが家の門をくぐった。
人造人間エフ氏
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
久
常用漢字
小5
部首:⼃
3画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“久方”で始まる語句
久方振