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中途
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ちゅうと
ふりがな文庫
“
中途
(
ちゅうと
)” の例文
とたんに、あッ——と
洩
(
も
)
れた咲耶子の声が、糸を切ったように、
中途
(
ちゅうと
)
からポツンときれて、それっきり、あとはなんの音もしなかった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
汽船の名はグラフトン号で、
豪州
(
ごうしゅう
)
航行の
中途
(
ちゅうと
)
であった。船長ロングは、さっそく一同を本船にむかえいれ、その
遭難
(
そうなん
)
のてんまつをきいた。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
下
(
した
)
の
子供
(
こども
)
たちは、うらやましがって、
上
(
うえ
)
を
仰
(
あお
)
いで
口
(
くち
)
を
開
(
あ
)
けています。
中途
(
ちゅうと
)
まで、
登
(
のぼ
)
ったものも、いつか
思
(
おも
)
いあきらめて、
降
(
お
)
りてしまいました。
高い木と子供の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
与平はコップを持っていた手を
中途
(
ちゅうと
)
でとめて、じっと宙を見ていた。大きい耳がたれさがって老いを示していたが、まだ、狭い額には若々しい
艶
(
つや
)
があった。
河沙魚
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
ここまで跡をつけて来て路地のかげに身をひそめていた清岡は、万事があまりに都合好く
進捗
(
しんちょく
)
して行くので、このまま
中途
(
ちゅうと
)
から帰るわけには行かなくなった。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
飯を済ましてからにしようと思っていたが、
癪
(
しゃく
)
に
障
(
さわ
)
ったから、
中途
(
ちゅうと
)
で五円
札
(
さつ
)
を一
枚
(
まい
)
出して、あとでこれを帳場へ持って行けと云ったら、下女は変な顔をしていた。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
するうち
自分
(
じぶん
)
のからだの
重
(
おも
)
みで、だんだん
縄
(
なわ
)
が
弱
(
よわ
)
ってきて、
中途
(
ちゅうと
)
からぷつりと
切
(
き
)
れました。
物のいわれ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
あり合はせた
草履
(
ぞうり
)
を
穿
(
は
)
いて出る時、亭主が声を掛けて笑つた。其の
炉辺
(
ろべり
)
には、
先刻
(
さっき
)
の
按摩
(
あんま
)
の
大入道
(
おおにゅうどう
)
が、やがて自在の
中途
(
ちゅうと
)
を頭で、神妙らしく
正整
(
しゃん
)
と坐つて。……
胡坐
(
あぐら
)
掻
(
か
)
いて
駕籠舁
(
かごかき
)
も二人居た。
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
そこで、
中途
(
ちゅうと
)
までいった
時分
(
じぶん
)
には、五
匹
(
ひき
)
とも
疲
(
つか
)
れてしまって、しばらく、
枝
(
えだ
)
の
上
(
うえ
)
に
休
(
やす
)
んで、
物珍
(
ものめずら
)
しげに、あたりの
景色
(
けしき
)
などをながめていました。
三匹のあり
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
だが潮にまかせて
遡行
(
そこう
)
するいかだのことであるから、速力はいたってにぶかった。その日は
中途
(
ちゅうと
)
で一
泊
(
ぱく
)
し、一同は富士男の桃太郎物語などをきいて
愉快
(
ゆかい
)
にねむりについた。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
道をきくべき酒屋も
煙草屋
(
たばこや
)
もないので、迷い迷って
遂
(
つい
)
に
津
(
つ
)
ノ
守阪
(
かみざか
)
の
中途
(
ちゅうと
)
に出てしまった。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
と竹童は、その
利
(
き
)
き
腕
(
うで
)
をねじあげて、石段の
中途
(
ちゅうと
)
へ、
押
(
お
)
したおした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
死
(
し
)
だ!
死
(
し
)
だ!」
A
(
エー
)
は、
口
(
くち
)
のうちでささやきながら、
急
(
いそ
)
いで、きた
道
(
みち
)
をもどると、
中途
(
ちゅうと
)
から、
人家
(
じんか
)
の
見
(
み
)
える
村
(
むら
)
をさして、
駆
(
か
)
け
出
(
だ
)
したのであります。
死と話した人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
中途
(
ちゅうと
)
でちょっと小手をかざし、四方をながめまわして
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
途
常用漢字
中学
部首:⾡
10画
“中途”で始まる語句
中途半端
中途半把