中二日なかふつか)” の例文
主人はかくのごとく自知じちめいあるにも関せずその自惚心うぬぼれしんはなかなか抜けない。中二日なかふつか置いて十二月四日の日記にこんな事を書いている。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
大丈夫だいぢやうぶ往復わうふくぶんと、中二日なかふつか何處どこかで一杯いつぱいめるだけ。……宿やどうせ矢太やたさんの高等御下宿かうとうおんげしゆくにお世話樣せわさまるんでせう。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
が、地方としては、これまで経歴へめぐつた其処彼処そこかしこより、観光に価値あたいする名所がおびただしい、と聞いて、中二日なかふつかばかりの休暇やすみを、紫玉は此の土地に居残いのこつた。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
中二日なかふつかいて三千代がる迄、代助のあたまは何等のあたらしいみちを開拓し得なかつた。かれあたまなかには職業の二字が大きな楷書かいしよで焼きけられてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
中二日なかふつかいて、突然平岡がた。其は乾いたかぜほがらかなそらいて、あをいものがうつる、つねよりはあつい天気であつた。あさの新聞に菖蒲の案内がてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
で、中二日なかふつかかぞへたのは、やがて十四日じふよつかには、自分じぶん幹事かんじ片端かたはしうけたまはつた義理ぎり宴曾えんくわいひとつあつた。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いづれもこゝろこゝろならねば、長途ちやうとらうやすむるひまなく、いそ樣子やうすうかゞたてまつるに何事なにごともおほせだされず、ゆる/\休息きうそくいたせとあるに、皆々みな/\不審ふしんへざりけり。中二日なかふつかきて一同いちどう召出めしいださる。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)