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両膝
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りょうひざ
ふりがな文庫
“
両膝
(
りょうひざ
)” の例文
旧字:
兩膝
両膝
(
りょうひざ
)
は前方に角度をなしてこごみ、寝間着の開き目から白い毛の逆立ったあわれな膝頭があらわにのぞき出し、そして彼はつぶやいた。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
ことに近頃の冬は彼の
身体
(
からだ
)
に厳しく
中
(
あた
)
った。彼はやむをえず書斎に
炬燵
(
こたつ
)
を入れて、
両膝
(
りょうひざ
)
から腰のあたりに
浸
(
し
)
み込む
冷
(
ひえ
)
を防いだ。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
M君はささえている
両膝
(
りょうひざ
)
の上に、
痩
(
や
)
せた二本の手をダラリとさげ、
喘
(
あえ
)
ぐように口を開けて、足下ばかり凝視していた。
冬枯れ
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
イカバッドはそのような馬には
誂
(
あつら
)
えむきの男だった。
鐙
(
あぶみ
)
が短かったので、
両膝
(
りょうひざ
)
が
鞍
(
くら
)
の前輪にとどくほど高くあがった。
スリーピー・ホローの伝説:故ディードリッヒ・ニッカボッカーの遺稿より
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
大きな円柱形の幹を両腕と
両膝
(
りょうひざ
)
とでできるだけしっかり抱き、手でどこかとび出たところをつかんで、素足の指を別のにかけながら、ジュピターは、一
黄金虫
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
▼ もっと見る
肚を落着けて、心静かに待とうじゃないか!……何でえ、しっかりしろよ! (いきなり両手で
両膝
(
りょうひざ
)
を抱え込む)
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
名犬シャーロックは少しも騒がず、何かの予感に緊張の
面持
(
おももち
)
で、主人恒川警部の
両膝
(
りょうひざ
)
のあいだにうずくまった。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
とそれから東屋氏は、そばの椅子へしずかに腰を下ろし、
両膝
(
りょうひざ
)
に
両肘
(
りょうひじ
)
をのせて指を前に組み合せ、ためらうように首を
捻
(
ひね
)
りながら、ボツリボツリと切り出した。
灯台鬼
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
今度は
両膝
(
りょうひざ
)
の間に
挾
(
はさ
)
んで、しっかり押え、赤くなったり、白くなったり、汗までかいて、なおも締めつづける。顔は、なんにも見ないように上を向いているのである。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
わずかに頭を振るかとみるまに
両膝
(
りょうひざ
)
を折って体をかがめるとひとしく横にころがってしまう。
去年
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
ハツと顔を上げると、坊主は既に敷居を越えて、
目前
(
めさき
)
の
土間
(
どま
)
に、
両膝
(
りょうひざ
)
を折つて居た。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
休之助は手綱をゆるめ、
両膝
(
りょうひざ
)
を緊めて、腰を浮かしながら馬をあおった。
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
と余一は
袴
(
はかま
)
の
両膝
(
りょうひざ
)
に手をあらため、小ざかしげな眼をパチッとさせて
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼はただじっと
両膝
(
りょうひざ
)
をかかえ、時々窓の外へ目をやりながら
河童
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
葉子は立てた長い
両膝
(
りょうひざ
)
を手でかかえながら、
呟
(
つぶや
)
いた。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
両膝
(
りょうひざ
)
を畳の上につく。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
またある時、彼が
両膝
(
りょうひざ
)
を寄せ目をほとんど閉じて、がっかりしたような姿ですわっていた時、娘は彼に言ってみた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
二三分して、細君は
障子
(
しょうじ
)
の
硝子
(
ガラス
)
の所へ顔を寄せて、縁側に寝ている夫の姿を
覗
(
のぞ
)
いて見た。夫はどう云う
了見
(
りょうけん
)
か
両膝
(
りょうひざ
)
を曲げて
海老
(
えび
)
のように窮屈になっている。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
布製の胴着の腰を
帯紐
(
おびひも
)
でしめ、半ズボンをなん枚も重ねてはいていたが、そのいちばん外側のはだぶだぶで、両側には一列に飾りボタンがつき、
両膝
(
りょうひざ
)
には房がついていた。
リップ・ヴァン・ウィンクル:ディードリッヒ・ニッカボッカーの遺稿
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
しかも、
六部
(
ろくぶ
)
はへいきな顔で、
両膝
(
りょうひざ
)
にほおづえをついて笑っている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
防寨
(
ぼうさい
)
が攻撃さるる数時間前から、ずっと一定の姿勢を保ったままで、両手の
掌
(
てのひら
)
を
両膝
(
りょうひざ
)
につき、絶壁の下をのぞき込むがように頭を前に差し出していた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
そうして、「さあどうぞ」を二三返繰返したが、自分は立ったまま「少し急ぎますから」と断って、岡田の手紙を渡した。お兼さんは上り口に
両膝
(
りょうひざ
)
を突いたなり封を切った。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし、もっとよく見さだめると、それは木が雷にうたれて、白木がむき出しになっているのだとわかった。突然、
唸
(
うな
)
り声がきこえた。彼の歯はがたがた鳴り、
両膝
(
りょうひざ
)
を鞍にいやというほどうちつけた。
スリーピー・ホローの伝説:故ディードリッヒ・ニッカボッカーの遺稿より
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
それから、彼の胸は落ちくぼみ、頭は震え動き、あたかも死に酔わされたかのようになって、
両膝
(
りょうひざ
)
の上に置かれた両手はズボンの布に
爪
(
つめ
)
を立てはじめた。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
マドレーヌがその恐ろしい重荷の下にほとんど腹
這
(
ば
)
いになって、二度
両肱
(
りょうひじ
)
と
両膝
(
りょうひざ
)
とを一つ所に持ってこようとしてだめだったのが、見て取られた。人々は叫んだ。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
ルブラン氏は老人の胸を一撃して
室
(
へや
)
のまんなかにはね倒した。それから二度後ろを払って、他のふたりの襲撃者を打ち倒し、それをひとりずつ
両膝
(
りょうひざ
)
の下に押し伏せた。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
彼はりっぱな歩兵銃を手に入れて、それを
両膝
(
りょうひざ
)
の間に持っていた。ガヴローシュはその時まで、たくさんのおもしろいことに気を取られて、その男には目もつけなかった。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
両肱
(
りょうひじ
)
は骨立ち、
両膝
(
りょうひざ
)
は皮膜があらわで、傷口からは肉が見えており、銀の
荊棘
(
いばら
)
の冠をかぶり、金の
釘
(
くぎ
)
でつけられ、額には
紅玉
(
ルビー
)
の血がしたたり、目には
金剛石
(
ダイヤ
)
の涙が宿っている。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
彼は鉄格子に背を向け、やはり身動きもしないでいるマリユスのそばに、
舗石
(
しきいし
)
の上に、すわるというよりもむしろ打ち倒れるように身を落とした。その頭は
両膝
(
りょうひざ
)
の間にたれた。出口はない。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
石の上に
両膝
(
りょうひざ
)
をついて
祈祷
(
きとう
)
するのであった。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
両
常用漢字
小3
部首:⼀
6画
膝
常用漢字
中学
部首:⾁
15画
“両”で始まる語句
両
両親
両人
両手
両方
両肱
両側
両眼
両国
両掌