不人情ふにんじやう)” の例文
わたしちかものとなるとこと/″\不人情ふにんじやうるのであらうか、みぎいてもひだりいてもたのもしいかほをしてるは一人ひとりい、あゝいやことだとてばちになりまして
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
女房にようぼうをだまくらかしてめかけところやう不人情ふにんじやう仕度したくても出來できない、あれだけはらふとゑらいのではらうが、かんがへると此處こゝ旦那だんなおにせうさ、二だいつゞきて彌々いよ/\らうと
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
老婆ばあさんは中風ちゆうふうぬし、おきぬさんはおよめくをいやがつてうら井戸ゐど飛込とびこんで仕舞しまつた、おまへ不人情ふにんじやうれをてゝくし、もうなにもつまらない、なん傘屋かさやあぶらひきなんぞ
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
其都度そのつど紛失物ふんしつもの出來できますやら品物しなもの破損はそんなどはおびたゞしいことで、うすれば此樣こんなに不人情ふにんじやうものばかり寄合よりあふのか、世間一體せけんいつたい此樣このやう不人情ふにんじやうなものか、それともわたし一人ひとりなげかせやうといふので
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)