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ひとたち
ふりがな文庫
“
一太刀
(
ひとたち
)” の例文
平四郎さすがに手だれなりければ、思うままに伝三を疲らせつつ、打ちかくる鍬を引きはずすよと見る
間
(
ま
)
に、伝三の肩さきへ
一太刀
(
ひとたち
)
浴びせ、……
伝吉の敵打ち
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
筋違
(
すぢかひ
)
を入つて此處まで來ると、いきなり後ろから、
一太刀
(
ひとたち
)
浴
(
あび
)
せられたやうな氣がしましたか、振り向いて見る氣もしません
銭形平次捕物控:032 路地の足跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
せめて、母の目なりとあいていたら、どんなにでもして左近将監にうらみの
一太刀
(
ひとたち
)
はむくいてやれるのだが、なにを
亡霊怪猫屋敷
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
斬り込んで行った帰雁、斜になって流したはずの銀二郎の構えが遅かったか、ないしは足がくずれたか、右の
肘
(
ひじ
)
から脇腹へかけて
一太刀
(
ひとたち
)
受けた銀二郎。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
一太刀
(
ひとたち
)
なりと
恨
(
うら
)
もうものと、
猛者
(
もさ
)
のあいだに入りまじっていく姿は、勇ましくもあり、また、涙ぐましい。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
わしの手足にまだ力が残っていた間は、いかにもして一度
都
(
みやこ
)
に帰って
敵
(
かたき
)
に
一太刀
(
ひとたち
)
報
(
むく
)
いる望みがあった。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
『下へおりて行く時、盾をよく見て、最初の
一太刀
(
ひとたち
)
をしくじらないように気をつけなさい。』
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
この女房は信長の前へ出ると、懐中した錦の袋から茶入を出して信長に見せると、信長は何に激したか大いに怒り、刀を抜いてこの女房を
一太刀
(
ひとたち
)
に斬って捨ててしまいました。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
見す/\蟠龍軒
似寄
(
により
)
の者が、新潟の沖なる親船に忍んで
居
(
お
)
ると聞きながら、武士と生れて
一太刀
(
ひとたち
)
怨
(
うら
)
みもせず、此の儘死ぬるも残念至極、また女房とても生死の程も分らぬ
中
(
うち
)
に
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
迅雷
(
じんらい
)
を
掩
(
おお
)
うに
遑
(
いとま
)
あらず、女は突然として
一太刀
(
ひとたち
)
浴びせかけた。余は全く
不意撃
(
ふいうち
)
を
喰
(
く
)
った。無論そんな事を聞く気はなし、女も、よもや、ここまで
曝
(
さら
)
け出そうとは考えていなかった。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
みろ! これがほんとうに
下司
(
げす
)
の知恵というやつじゃ。こんな縫いぐるみなぞをかぶって、笑止なことに孝子のやいばを避けようとしたゆえ、
一太刀
(
ひとたち
)
も合わさずに討たれるような恥を
右門捕物帖:10 耳のない浪人
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
それがしの面目はもとより武蔵殿も名誉、共に思うさま百右衛門をののしり、信義の
一太刀
(
ひとたち
)
覚えたか、とまっこうみじんに
天誅
(
てんちゅう
)
を加え、この胸のうらみをからりと晴らす事が出来るものを
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
今一人が
眞向
(
まつかう
)
よりざツくり切たる
一太刀
(
ひとたち
)
に二言と云はず死してけり二人は血刀
押拭
(
おしぬぐ
)
ひ先久し
振
(
ぶ
)
りの
山吹色
(
やまぶきいろ
)
と懷中へ手を入れてヤアないはコリヤどうぢやと二人は
不審
(
ふしん
)
晴
(
はれ
)
やらず猶も懷中を
掻探
(
かきさぐ
)
り
財布
(
さいふ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「そちは
一太刀
(
ひとたち
)
打った時に、数馬と申すことを知ったのじゃな。ではなぜ打ち果すのを
控
(
ひか
)
えなかったのじゃ?」
三右衛門の罪
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
穴山梅雪
(
あなやまばいせつ
)
は
眉間
(
みけん
)
を
一太刀
(
ひとたち
)
割られているうえに、ここまでのあいだに、いくどとなく投げられたり
鞍壺
(
くらつぼ
)
にひッつるされたりしてきたので、この世の者とも見えぬ顔色になっていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
俊寛 ただ
一太刀
(
ひとたち
)
! わしの
憎
(
にく
)
みを
清盛
(
きよもり
)
の肉にただ一太刀
刻
(
きざ
)
みつけるために!
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
その曲者も中々
堪
(
こた
)
えた奴で、
私
(
わっち
)
へ
一太刀
(
ひとたち
)
浴
(
あび
)
せやがった、やられたなと思ったが、幸いに仕事の帰りで、左官道具をどっさり
麻布
(
さいみ
)
の袋に入れて
背負
(
しょ
)
っていたので、
宜
(
い
)
い
塩梅
(
あんばい
)
に切られなかった
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
しかも、主人のまくら刀はそこに置かれたままで、
一太刀
(
ひとたち
)
も抜き合わしたらしいけはいがなかったものでしたから、右門は聞くのが少しきのどくでしたが、正直に思ったとおりを尋ねました。
右門捕物帖:03 血染めの手形
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
ざっくり
一太刀
(
ひとたち
)
、帰雁が黒頭巾を割り下げた。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
致命傷
(
ちめいしょう
)
にはなるまいが、
怨敵
(
おんてき
)
梅雪
(
ばいせつ
)
へは、たしかに
一太刀
(
ひとたち
)
手ごたえをくれてあるから、このうえはどうかして、一ぽうの血路をひらき、
伊那丸君
(
いなまるぎみ
)
をすくいだそうと民部は心にあせった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、また
一太刀
(
ひとたち
)
、今度は、右の肩先から胸へかけて、
袈裟
(
けさ
)
がけに浴びせかける。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「寄りつくものは
一太刀
(
ひとたち
)
に
薙
(
な
)
ぐぞ」
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
太
常用漢字
小2
部首:⼤
4画
刀
常用漢字
小2
部首:⼑
2画
“一太刀”で始まる語句
一太刀毎