“ふなべり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
66.7%
船縁13.8%
舟縁7.3%
舷側4.1%
船舷4.1%
舟舷1.6%
舷縁0.8%
舸縁0.8%
艇舷0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
トニーは、ふなべりをたたいて、そうさけびました。船は、向きをかえると、出るだけ一ぱいの力を出して、くらい海面をいそぎました。
豆潜水艇の行方 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それから、とまむしろをいくらでもさらって来い、そうして、左っ手の垣根から船縁ふなべりをすっかりゆわいちまえ、いよいよの最後だ、帆柱を切っちまうんだ
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それもきわめて古風な舟で、舟縁ふなべりに彫刻が施してある。真鍮しんちゅうの金具、青羅紗の薄縁うすべり、やはり非常に独創的である。薬草道人の使用舟であろう。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
船底の重心板センター・ボードは粘土質の海底に接触し、舵板ラダーの蝶番には長海松ながみるが少しばかり絡みつき、そして舷側ふなべりの吃水線には、一様に薄穢い泡が附着します。
死の快走船 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
おりる時には今にも奈落の底へ墜入おちいりますかと思う程の有様で、実に山三郎もとてももういかんと心得ましたから、只船舷ふなべりつかまって、船の沈んではならんとあか掻出かいだすのみで
だが、慌てゝ舟舷ふなべりに走るわけには行かない。乗り手の一同が気勢を合せて、舟舷に逼ひ寄らうとする彼に伴れて、徐徐と舟の中心をとらなければならなかつた。
西瓜喰ふ人 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
映画が済んで、みんな立ってしまったあと、ぼくは独り、舷縁ふなべりこしけ、柱に手をまいて暗い海をみていた。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
と二人が舸縁ふなべりから身をさかにして、ズルズルと手繰たぐり寄せたのは麻葉あさのは鹿の子の扱帯しごきであった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はて艇舷ふなべり材木ざいもくでも打碎うちくだいて、にしてまんかとまで、馬鹿ばかかんがへおこつたほどで、つひれ、船底ふなぞこまくらよこたはつたが、その空腹くうふくため終夜しうやねむこと出來できなかつた。