“ふなばた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
81.7%
船端6.9%
舷側4.6%
船舷3.1%
舷端2.3%
舟舷0.8%
船板0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
上から投げる貨幣のある物は傘からはね返って海に落ちて行った。時々よろけて倒れそうになってふなばたや人の肩につかまったりした。
旅日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
お早うお帰りと、かみさんが、浜に立って赤シャツに挨拶あいさつする。おれは船端ふなばたから、やっと掛声かけごえをして磯へ飛び下りた。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
佐吉は舷側ふなばたから乗りだして、眉を寄せながらそのようすを見ていたが、ドキッとしたような顔で四人のほうへ振りむくと
顎十郎捕物帳:14 蕃拉布 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
船は波につれて高くあがつたり低く沈んだりした。時には波が船舷ふなばたに当つてさゝらのやうに白く砕けた。
ある日 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
と、身を現して、舷端ふなばたに突っ立ち、徐盛の舟へ向って呼ばわった。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これまで美智子さんと幾たびか海へ出たが、こんなにいい晩は一度もなかった。二人は非常に愉快になって、舟舷ふなばたをたたきながら声をそろえて歌った。
海亀 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
柴山は、「海だよ」と答えてくれました。ぼくも船板ふなばたから、見下ろした。真したにはすこし風の強いため、舷側げんそくくだけるなみが、まるで石鹸シャボンのようにあわだち、沸騰ふっとうして、飛んでいました。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)