“かこい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
65.7%
幕囲2.9%
2.9%
四畳半2.9%
囲墻2.9%
囲幕2.9%
外妾2.9%
板囲2.9%
2.9%
繞囲2.9%
2.9%
茶室2.9%
貯蔵2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
建武中、飛騨の牛丸摂津守の居城敵兵に水の手を切られ苦しんだ時、白米で馬を洗い水多きように見せて敵を欺きかこいを解いて去らしめた。
それかあらぬか、彼のいる幕囲かこいに近いところから、突如として、大太鼓の音が、勇壮な階調をもって、つづけさまに鳴りとどろいた。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、附近の幕囲かこい、小屋の内から、わらわらと彼のすがたを追って来て、そして遠くにうずくまり合っていた。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たしかに右の方のかこいの中に寝かしてあって、砲弾は左の方で破裂したんですから、死ぬるわけがないと思いますが、もう一人の産婦も同じようなことを云い張るので
二人の母親 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
やがてかこいの中へ入れると、きょろきょろわたし達両女ふたりの顔を見ているようでした。赤ん坊はそのときまだ判然はっきりと眼が利きはしませんが、わたし達の思いしでそんな風に見えたのです。
二人の母親 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
その時は、四畳半かこいではありません。が、炉を切った茶のに通されました。
雪霊記事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
囲墻かこい等によって、彼れの土地の生産力を増進せしめる気になるならば、彼は、地主に支払われる実際の地代に比例してではなく、土地の実際の年々の価値に比例して、救貧税を納入するであろう。
「先にお着きのお荷駄にだは、すべて積み終り、御船中のお囲幕かこいも、万端、ととのうておりますれば」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さてこそ彌々いよ/\學士がくし外妾かこいか、よしや令孃れいぢようぶればとておさとはいづれれたもの
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
もとの板囲かこいのうちへ入って、干飯俵ほしいだわら軍梱いくさごりのあいだに熊楠は又眠ってしまった。魚住十介たちは、ゾッとした気持に襲われながら
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
肥後などでかこいというのは構のことかと思うが、実際はまたその外廓すなわち麓に当る区域をさしている。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
院内とはなお垣内かきうちというが如きもので、一定の繞囲かこいの中の住人の義である。
俗法師考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
かこいに帆布や蒲団のような柔かなものをかい、帆柱がフワリと跳ねかえって海へ落ちるように仕掛け、さあいま倒れるというとき、すばやく控綱はんどうを切る。
重吉漂流紀聞 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
玉のしのぶ茶室かこいった。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
仁左衛門さんとこ大欅おおけやきが春の空をでて淡褐色たんかっしょくに煙りそめる。雑木林のならが逸早く、くぬぎはやゝ晩れて、芽をきそめる。貯蔵かこい里芋さといもも芽を吐くので、里芋を植えねばならぬ。月の終は、若葉わかば盛季さかりだ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)