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となりきんじよ
子には
襤褸を
下げさせ
家とては二
疊一
間の
此樣な
犬小屋、
世間一
體から
馬鹿にされて
別物にされて、よしや
春秋の
彼岸が
來ればとて、
隣近處に
牡丹もち
團子と
配り
歩く
中を
されどもお
美尾が
病氣はお
目出度かた
成き、三四
月の
頃より
夫れとは
定かに
成りて、いつしか
梅の
實落る
五月雨の
頃にも
成れば、
隣近處の
人々よりおめで
度う
御座りますと
明らかに
言はれて
斯うだこた
此れ、
默つてりや
隣近所でも
分んねえもんだが
勘次等えゝ
暫く
味噌せえ
無くして
置くんだから、
一杓子も
有りやしねえんだ。
卯平は
固より
親方から
家の
容子やおつぎの
成人したことや、
隣近所のことも
逐一
聞かされた。
卯平は
窪んだ
茶色の
眼に
暖かな
光を
湛へた。
そんでも
床の
上へ四
斗樽かう
倒にして
置えてね、
其上へ
板渡してやつとまあ
居通しあんしたがね、
煮燒すんのもやつとこせで、
隣近所は
有つたつて
往つたり
來たりすんぢやなし