“きよくろく”の漢字の書き方と例文
語句割合
曲彔100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
母親はゝおや曲彔きよくろくつて、はななかむかへたところで、哥鬱賢こうつけん立停たちどまつて、して……もゝはなかさなつて、かげまる緋色ひいろ鸚鵡あうむは、おぢやうさんのかたからつばさ飜然ひらり母親はゝおやまる。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やがて老師らうしあらはれた。たゝみ見詰みつめてゐた宗助そうすけには、かれ何處どことほつて、何處どこから此所こゝたか薩張さつぱりわからなかつた。たゞかれはらつて曲彔きよくろく重々おも/\しい姿すがたた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
老僧はへちまをかいてくれた座敷に据ゑてある曲彔きよくろくのうへに金襴の袈裟をかけ、払子ほつすをもつて、昔ながらの石仏のやうに寂然と扶坐ふざしてゐる。私はそのまへへいつて昔のとほり頭をさげて焼香した。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
席次せきじ不同ふどうおも々々/\めてはゐるが、高聲かうせいかたるもの、わらふものは一人ひとりもなかつた。そうみな紺麻こんあさ法衣ころもて、正面しやうめん曲彔きよくろく左右さいうれつつくつてむかあはせにならんだ。その曲彔きよくろくしゆつてあつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)