“かべ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カベ
語句割合
89.1%
壁間2.7%
壁面1.6%
加部1.1%
粗壁1.1%
0.5%
側面0.5%
削壁0.5%
可部0.5%
0.5%
壁土0.5%
河辺0.5%
獄壁0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
白樺しらかばの皮をかべにした殖民地式の小屋だが、内は可なりひろくて、たたみを敷き、奥に箪笥たんす柳行李やなぎごうりなどならべてある。妻君かみさんい顔をして居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
壁間かべには定めし、有名な画家の油絵がかかり、天井からは、偉大な宝石の様な装飾電燈シャンデリヤが、さがっているに相違ない。床には、高価な絨氈じゅうたんが、敷きつめてあるだろう。
人間椅子 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
一体の、完全に人の形を保っている骸骨が、穴倉の壁面かべに倚りかかっていた。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
加部かべ島は湾口をおほひて風波をさへぎり、雅致ある鷹島には私立の燈明台そびえ、弁天島、小瀬戸を界として名護屋港に連り、海深く、潮あぶらのごとし。
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
お城のかべの中に落ちた自画像は、兵士が拾つてこれを王様に差上げました。
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
とうとうお嫁さんの自画像は、王城のかべの中に落ちてしまひました。
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
刀を引くと立ち上がり、紙帳の側面かべへ身を寄せたが
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
みゝかたむけると、何處いづくともなく鼕々とう/\なみおときこゆるのは、この削壁かべそとは、怒濤どとう逆卷さかま荒海あらうみで、此處こゝたしか海底かいてい數十すうじふしやくそこであらう。
この国が持つ特色ある手仕事としては、何よりも「山繭織やままいおり」を挙げねばなりません。可部かべ地方のもので黄と褐との色合いを持つ織物であります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
あらゆる物を取り去った後で寺や石かべやが建てられたかの感がある。
天井は思切ツてすゝけてゐて、而も低い。かべは、古い粘土色へなつちいろの紙を張りつめてあツたが、處々ところ/\やぶれて壁土かべはみ出て、鼠の穴も出來ている。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
ですから、青梅鉄道という十数マイルの私設の小鉄道の電車が、青梅の宿から東へ、次の河辺かべという駅まで走る途中、東北の方を車窓から見ると、そこに地平線の立つ一カ所がある。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
幼な日の優しきことの幾つかを獄壁かべにさはりつ憶ひ更けたり
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)