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壁間
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かべ
一隅には、
座蒲団を何枚も折りかさねた側に香立てを
据えた
座禅場があります。
壁間には、
鳥羽僧正の
漫画を仕立てた長い
和装の額が五枚
程かけ連ねてあります。
壁間には定めし、有名な画家の油絵が
懸り、天井からは、偉大な宝石の様な
装飾電燈が、さがっているに相違ない。床には、高価な
絨氈が、敷きつめてあるだろう。
壁間に浮かび出た巨人の姿! 忽然湧き起こる
悽愴たる笛声。老師がコロネを吹きだしたのである。
モデル臺、
石膏の
胸像、それから
佛蘭西の
象徴派の名畫が一
枚と、
伊太利のローマンス派の
古畫を
摸寫したのが三枚、それが
何れも
金縁の
額になつて南側の
壁間に
光彩を放つてゐる。
洋燈の
光は
煌々と
輝いて、
何時の
間にか、
武骨なる
水兵等が、
優しい
心で
飾立てた
挿花や、
壁間に『
歡迎』と
巧妙に
作られた
橄欖の
緑の
葉などを、
美くしく
照して
居る。