“くわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:クワ
語句割合
16.8%
13.3%
13.2%
11.1%
11.0%
10.0%
5.6%
3.3%
2.6%
2.1%
2.1%
0.9%
0.8%
0.7%
0.6%
0.5%
0.5%
0.4%
0.4%
0.4%
0.3%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
𠼫0.1%
0.1%
0.1%
區分0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
委曲0.1%
委細0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
精通0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
詳細0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、いうことは素気そっけないが、話を振切ふりきるつもりではなさそうで、肩をひとゆすりながら、くわを返してつちについてこっちの顔を見た。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ああ、くわしくここに写さんも要なけれど、余が彼をづる心のにわかに強くなりて、ついに離れがたきなかとなりしはこの折なりき。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
お玉は嬉しくてたまらない、腰をかがめてムクの背中をさすってやろうとすると、ムクがその口に何か物をくわえていることを知りました。
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
医者は病人の様子を見て、脈を取って今血をいたばかりのところだから、くわしい診察は出来ないと云って、色々養生の事を話した。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
くわしく云うと、暇がかかるから、このくらいで御免蒙ごめんこうむって先へ進みます。現代の理想が美でなければ、善であろうか、愛であろうか。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おまけに一人の親仁おやじなぞは、媽々衆かかしゅう行水ぎょうずいの間、引渡ひきわたされたものと見えて、小児こどもを一人胡坐あぐらの上へ抱いて、雁首がんくび俯向うつむけにくわ煙管ぎせる
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
直衛は座をすべり、懐紙を口にくわえて、静かに刀を抜いた。さやを左に置き、刀を垂直に立ててその切刃を見た。切先きっさきから鍔元つばもとまで。
改訂御定法 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
これくわうるに羨望せんぼう嫉妬しっとの念をもってして、今度は政府の役人達が狙われるようになって来て、洋学者の方はおおいに楽になりました。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
さういふ点で江戸期の釣書にはキスやボラの釣場、海図などをくわしく説明し、先づ東京湾の半分は探査が行き届いてゐる。
日本の釣技 (新字旧仮名) / 佐藤惣之助(著)
と、口にくわえていた帯締を取って中へ通したが、そうしてきちんと締めてしまうと、又その帯もキュウキュウ云い出した。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
せい一は、勇気ゆうきして、くさけてはいっていきました。くわえだろうとすると、じゅくしきったあかが、ぽとぽととちました。
芽は伸びる (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかすべてに共通けうつうした手法しゆはふ方針はうしんは、由來ゆらい化物ばけもの形態けいたいには何等なんら不自然ふしぜん箇所かしよがある。それを藝術げいじゆつちから自然しぜんくわさうとするのが大體だい/\方針はうしんらしい。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
我国に雲のごとくでたる、言いつたえ書きつたえられたる物語にほぼ同じきもの少からず。山男に石をくわす。河童の手を奪える。それらなり。
遠野の奇聞 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うしませう」とすゝいた。宗助そうすけ再度さいど打撃だげきをとこらしくけた。つめたいにくはひになつて、其灰そのはひまたくろつちくわするまで一口ひとくち愚癡ぐちらしい言葉ことばさなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
煙管きせるくわえて人の顔を見ている売卜者ばいぼくしゃやらが、通りすぎる秋蘭の顔を振り返って眺めていた。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
おそらく、枝から風にゆられて、落ちてきたのでしょう。これを見つけた犬は、今にもその子雀をくわえようとします。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
わたくしはのちよりして前を顧み、くわよりして因を推し、錦橋瑞仙のさいさはを信任することが稍過ぎてゐたのではないかと疑ふ。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「悪かった! 途中で出っくわしたか。ウウム、こういうことになるなら、知らせておくんじゃなかったのに」
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二者の関係は後でくわしく申上げることにします。とにかくこのオモロを見てもこれらの覡が当時宮中にまで出入していたことがわかります。
ユタの歴史的研究 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
「おお!」と旧知にでも出っくわしたかのように、外函をでてみ、内函との寸分の隙間もない接触工合を調べてみ、一本の鋲や釘も使わぬめ木の肩を叩いてみ、容器その物に
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
チユウスデー くわ曜日
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
きみ、くわえてはいけないと。あの毒は大変です、その卵のくッついた野菜を食べると、血を吐いて即死だそうだ。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
自分じぶん自分じぶん仕事しごとをしてたくてならない矢先やさきへ、おなくわ出身しゆつしんで、小規模せうきぼながら專有せんいう工場こうば月島邊つきじまへんてゝ、獨立どくりつ經營けいえいをやつてゐる先輩せんぱい出逢であつたのがえんとなつて、その先輩せんぱい相談さうだんうへ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
就中なかんづく河間かかん王深わうしん居邸きよてい結構けつこう華麗くわれいしゆたるものにして、しか高陽王かうやうわうくわきそひ、文柏堂ぶんはくだう造營ざうえいす、さかんなること帝居ていきよ徽音殿きおんでん相齊あひひとし、清水しみづ玉轆轤ぎよくろくろき、黄金わうごんつるべるに
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『曾我物語』にはこの事を敷衍ふえんして李将軍の妻孕んで虎肝を食わんと望む、将軍虎を狩りてくわれ死す、子生れ長じて父の仇をもとめ虎の左眼を射
青竜も海に入ったが玉をくわえ出で猟師に近づき吐き置いて海に入った、その玉を取りて家に返りしより諸財心に任せ出で来て富に飽き満ちたというのだ
この積上つみあげられたる雑具がらくたうえに、いつでも烟管きせるくわえて寐辷ねそべっているのは、としった兵隊上へいたいあがりの、いろめた徽章きしょういてる軍服ぐんぷく始終ふだんているニキタと小使こづかい
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
僕は二年生か三年生かの時、矢代幸雄やしろゆきを久米正雄くめまさを二人ふたりと共にイギリス文学科の教授方針を攻撃したり。場所はひとばしの学士会館なりしと覚ゆ。僕等はくわを以て衆にあたり、大いに凱歌がいかを奏したり。
その頃の赤門生活 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
にはいけこひを、大小だいせうはかつてねらひにくるが、かけさへすれば、すぐにかゝる。また、同國どうこくで、特産とくさんとして諸國しよこくくわする、鮎釣あゆつりの、あの蚊針かばりは、すごいほど彩色さいしきたくみ昆蟲こんちうしてつくる。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
下は大床より上は天井に至るまで、立錐りつすゐの地をあまさゞるこの大密畫は、即ち是れ一くわの寶玉にして、堂内の諸畫は悉くこれをうづめんがために設けし文飾あるわくたるに過ぎず。
私は周防の国でこれが使用されるのを見た。この形は犁がくわの進化したものであるというイー・ビー・テイラーの説を裏書している。
彼等はみなくわやシャベルを持ち、また我々が見つけた物を何でも持ち帰る目的で、非常に大きな四角い籠を持って行った。
墓掘り人がくわで土をすくうのに一心になって気づかないうちに、彼はうしろからそのポケットの中に手を差し入れて、底にある白いものを引き出した。
フォーシュルヴァンはくわを取り、ジャン・ヴァルジャンは鶴嘴つるはしを取り、二人して空棺を埋めた。
今にいたりて死せず、た父兄今日の累を致す、不幸の罪、何を以てかこれにくわえん。しかれども今日の事は、皇家の存亡に関わり、吾が公の栄辱にかかわる、万々ばんばん休すべからず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
執事幸いに明察を垂れ、請う所を許諾せられなば、何の恵かこれにくわえん。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
野のところどころにはこんもりとした森があって、その間に白堊しらかべの土蔵などが見えている。まだくわを入れぬ田には、げんげが赤い毛氈もうせんを敷いたようにきれいに咲いた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
路のほとりに軒のかたむいた小さな百姓家があって、壁にはすきくわや古いみのなどがかけてある。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
八千矛の神のみことは、とほ/″\し、高志こしの国に、くわをありと聞かして、さかをありときこして……
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
だから、くわの家に、奴隷やっこになって住みこんだいにしえあてびともあった。娘の父にこき使われて、三年五年、いつか処女に会われよう、と忍び過した、身にしむ恋物語りもあるくらいだ。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
水の中からステッキをも𠼫くわえて参るでしょう。
尻尾しっぽ𠼫くわえてくるくる廻る小猫のように
くき錫紙すずがみ巻きたる、美しきすみれの花束、きらきらと光りて、よもに散りぼふを、き物得つとかの狗、踏みにじりては、くわへて引きちぎりなどす。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
孔子対えて曰く、子、政を為すにんぞ殺すことを用いん、子、善を欲せばすなわち民善からん、君子の徳は風なり、小人の徳は草なり、草はこれに風をくわ(加)うるとき必ずす。(同、一九)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
これが毎年まいねんくりかへされると、その一年いちねんごとに生長せいちようした部分ぶぶんだけが、まるになつて區分くわけがつくのです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
易の理論は何も知らず、内くわがどうとか外くわがかうだとか予備知識をすこしも持たず、ただ教へられたまま熱心にやつてみた。
地山謙 (新字旧仮名) / 片山広子(著)
また、ただ鶯といわずに、青柳の枝をくわえている鶯というのだから、写象もその方が複雑で気持がよい。その鶯がうれしくて鳴くというのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
善男信士輩、成湯せいとうの徳は禽獣に及びこの女将の仁は蛙をうるおすと評判で大挙して弔いに往ったは事実一抔くわされたので、予が多く飼うカジカ蛙が水に半ばうかんで死ぬるを見るに皆必ず手を合せて居る。
ソレカラ又家に客を招く時に、大根や牛蒡ごぼうを煮てくわせると云うことについて、必要があるから母の指図さしずに従て働て居た。所で私は客などがウヂャ/\酒をむのは大嫌い。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
背後うしろからおえいの髷をくわえてうしろへ引倒して、花嫁の美くしゅうこってりとお粉粧しまいをした顔を馬がモリ/\ッと噛みましたから、これは全く馬が多助のあだを討ったようなものでございます。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
某年に飯田安石が此くわに加はつた。安石は朝急いで塾を出る時、たま/\脇差が見えなかつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
実は私も委曲くわしい事は知らんがなあ。お目付の松倉さんから聞いた話を受売りするとなあ……豊後の日田という処は元来天領で、徳川様の直轄じかの御領分じゃ。
一ツは面倒な材木きしな委細くわしい当りを調べたのやら、人足軽子かるこそのほかさまざまの入目を幾晩かかかってようやく調べあげた積り書
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
大佐たいさかたところによると、海賊島かいぞくたう云々うんぬん風聞ふうぶん實際じつさいことで、その海賊かいぞく仲間なかまある強國きようこくとのあひだに、一種いつしゆ密約みつやくそんしてことも、海事かいじくわしき船員せんゐん社會しやくわいには、ほとん公然こうぜん秘密ひみつとなつてよし
義男はその爲に毎日出て行くある群れの塲所にゐても絶へず苦笑を浮べてゐなければならない樣な、にがい刺戟にくわすのであつた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
説文にくわは「从木雩声、読若華」、ちよは「从木虖声」と云つてある。字典は樗のもとに集韻を引いて「又作㯉、丑居切」と云ひ、㯉の下には只「同樗」と云つてゐる。文字を知つた人の教を受けたい。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
猶子いうし屏風びやうぶて、には牡丹叢ぼたんさうおほひ、ひとうかゞふことをゆるさず。ひとなかにあり。くわ四方しはうり、ふかおよび、ひろひとれてす。たゞ紫粉むらさきこべに白粉おしろいもたらしるのみ。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
世に銃火器に精通くわしい者、明智に次ぐは滝川なり、という定評のあった過去を今も忘れてはいない。かたがたその城庫には多量な矢石しせき火薬の蓄蔵も必至と見られたので
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いでまして夕むかへむ御轍みわだちにさざんくわちりぬ里あたたかき
恋衣 (新字旧仮名) / 山川登美子増田雅子与謝野晶子(著)
掌上の菴摩羅あんまらくわを視るが如くなるにあらずんば、是の如き説の當否を判ずること能はざる譯であるが、餘りに格套的に某の歳は某の氣行はるゝといふのは、信じ難くもあり、事實にも符し難い。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
三千のくわ頭の法師山を出づこれは王法興隆の為め
晶子鑑賞 (新字旧仮名) / 平野万里(著)
それで私は、その関係を、出来るだけ詳細くわしく話しました。
西班牙の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
領主 その曲事きょくじゆゑに、即刻そっこく追放つゐはう申附まうしつくる。汝等なんぢら偏執へんしふ予等われらまでも卷込まきこまれ、その粗暴そばう鬪諍とうじゃうによってわが血族けつぞく血汐ちしほながした。わがこの不幸ふかう汝等なんぢらにもくやますため、きびしい科料くわれうくわさうずるわ。
身体強健、なおよくくわを執り、もっこにない、旦暮たんぼ灌漑かんがいしてずから楽んでおります。いわゆる老而益壮おいてますますさかんなると申すは、この人のいいでござりましょう。
禾花媒助法之説 (新字新仮名) / 津田仙(著)