“白堊”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はくあ83.3%
しろつち6.7%
しらかべ3.3%
チョーク3.3%
しらつち1.7%
しろかべ1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ただわずかに残って、今にそびえる天守閣の正しい均斉、その高欄こうらんをめぐらし、各層に屋根をつけた入母屋いりもや作りのいらか、その白堊はくあの城。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
わが滿身の鮮血はとろけ散りて氣となり、この天この水と同化し去らんと欲す。われは小兒の如く啼きて、涙は兩頬に垂れたり。市に大なる白堊しろつちの屋ありて、波はそのいしずゑを打てり。
さうして白堊しらかべにしておくと、始終剥げたり落ちたりして、修繕が面倒だからと、後の方だけは一面に燒板を張つて了つた。
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
カルクマンはドイツ語で「白堊チョークの人」という意味だ。これは分った。だが、「オプフェル」はなにを意味するのだろう? これこそ、現在の状態を解く鍵だ。
園をかこめる低き鉄柵てっさくをみぎひだりに結いし真砂路まさごじ一線に長く、その果つるところにりたる石門あり。入りて見れば、しろ木槿もくげの花咲きみだれたる奥に、白堊しらつち塗りたる瓦葺かわらぶきの高どのあり。
文づかい (新字新仮名) / 森鴎外(著)
綺麗に刈込んだかしの垣を前に、後に深い杉の森をめぐらし、数多い白堊しろかべの土蔵の夕日に照されてゐるのが常に遠く街道からゆびさされた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)