“彩色”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さいしき49.3%
いろどり17.8%
いろど12.3%
いろ5.5%
ヱノグ4.1%
ゑのぐ1.4%
あいろ1.4%
いろつけ1.4%
いろどら1.4%
えのぐ1.4%
さいしょく1.4%
つくりえ1.4%
ぬり1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
くもならば、くもに、うつくしくもすごくもさびしうも彩色さいしきされていてある…取合とりあふてむつふて、ものつて、二人ふたりられるではない。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
白いもの花やかに彩色いろどりして恥の面を塗り隠し、野心深い夫に倚添よりそひ、がけにある坂路をつたつて、舟に乗るべきところへ下りて行つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
書斎のベランダに置かれた鳥籠の中で、薄桃色と青とで彩色いろどったような鸚鵡おうむが、日光を浴びながら羽ばたきをして、奇声を上げている。
P丘の殺人事件 (新字新仮名) / 松本泰(著)
冬ですら彩色いろ絵葉書で見た通りの色彩に富んで居るのだから、夏の湖畔はだけ豊麗な風致に満ちるのだか知れないと思つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
今から、横佩墻内へ馳けつけて、彩色ヱノグを持つて還れ、と命ぜられたのは、女の中に、唯一人殘つて居た長老オトナである。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
郎女は、奈良の家に送られたことのある大唐の彩色ゑのぐの数々を思ひ出した。其を思ひついたのは、夜であつた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
いつしかに黄昏たそがれは、花瓶のおもてにうつる空の色、二人が瞳子ひとみをくもらして、さゝやかの二人が世界の、物の彩色あいろを消してく。
それからおれはつい俗事にかまけて上帝や聖母の御像へ上げる蝋燭の彩色いろつけをたうとうしおほせなかつたつて、断わつてくれ。そしておれの長持の中にある物はみんなお寺へ寄進するつてこともな。
が、それは極度に詩的空想に彩色いろどられたもので、エゼキールの隠喩的筆法とは格段の相違がある。
郎女は、奈良の家に送られたことのある、大唐の彩色えのぐの数々を思い出した。其を思いついたのは、夜であった。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
勿論もちろん、描いた人物を判然はっきり浮出うきださせようとして、この彩色さいしょく塗潰ぬりつぶすのは、の手段に取って、か、か、こうか、せつか、それは菜の花のあずかり知るところでない。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
五つぎぬ上衣うわぎ青海波せいがいはに色鳥の美しい彩色つくりえを置いたのを着て、又その上には薄萌黄うすもえぎ地に濃緑こみどりの玉藻をぬい出した唐衣からごろもをかさねていた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それにどんな彩色ぬりに仕上がると思ふね? まあその可愛らしい白い足でこの界隈を残らず捜しまはつて見るがいいや