“沢”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
さわ38.7%
つや38.7%
たく16.1%
さは4.8%
サハ1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
げに珍しからぬ人の身の上のみ、かかる翁を求めんには山のかげ、水のほとり、国々にはさわなるべし。されどわれいかでこの翁を忘れえんや。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
その傍には初老に近い顔のつやつやした主人が立っていた。お作と女は貴人の宿をした覚えがないから、まごまごして返事もできなかった。
妖怪記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
かつ大きな人格の光を千載にはなち、偉大なる事業のたくを万人にこうむらすにいたるには、長年月を要することが多いのは、いうまでもない。
死刑の前 (新字新仮名) / 幸徳秋水(著)
わたくしはのちよりして前を顧み、くわよりして因を推し、錦橋瑞仙のさいさはを信任することが稍過ぎてゐたのではないかと疑ふ。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
落葉松の林に雨が過ぎ、はんがりやの娘などの自転車が、サハの中に光つて隠れて行く——軽井沢。そこに、子供ばなれのした頃から、しぼますことなく持ち続けてゐた清らかな恋ごゝろ——。
『かげろふの日記』解説 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)