“渓流”のいろいろな読み方と例文
旧字:溪流
読み方割合
けいりゅう64.1%
たにがわ10.3%
けいりう7.7%
せせらぎ5.1%
ながれ5.1%
けいりゆう2.6%
たに2.6%
たにかわ2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
春、K温泉から山路をのぼること一、はるか眼の下に渓流けいりゅうをのぞむ断崖の上、自然石のベンチに肩をならべて男女が語りあっていた。
断崖 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
うの字峠の坂道を来ると、判事さんが、ちょっと立ち止まって、渓流たにがわの岩の上に止まっていた小さな真っ黒な鳥を打った。
鹿狩り (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
小山と小山との間に一道の渓流けいりう、それを渡り終つて、猶其前に聳えて居る小さいみねを登つて行くと、段々四面あたり眺望てうばうがひろくなつて
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
山下氏がつづいて、つぶやくような声でなにかいったが、それは渓流せせらぎの音にけされてキャラコさんの耳にはとどかなかった。
キャラコさん:04 女の手 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ケロデンの渓流ながれ、ゲッセマネの園、そっちの方へ流れて行った。エルサレムの方へ流れて行った。
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
くるをまつて人夫はなべこめとをたづさへ、渓流けいりゆうくだり飯を炊煑してのぼきたる、一行はじめてはらたし、勢にじやうじて山をくだり、三長沢支流をさかのぼる、此河は利根の本源とほとんど長をひとしくし
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
渓流たにの瀬の鳴る音が遠くで聞こえる。
ネギ一束 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
そうはなしっているうちに、いつしか私達わたくしたち飛沫しぶきててながるる、二けんばかりの渓流たにかわのほとりにっていました。