“始終”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しじゅう46.1%
しょっちゅう12.1%
しじう10.9%
しじゆう7.3%
しよつちゆう6.7%
しよつちう3.0%
しゞう2.4%
とほし1.8%
しゞゆう1.2%
はじめをはり1.2%
ふだん1.2%
しじふ0.6%
ししう0.6%
ししゆう0.6%
しじゆ0.6%
しよつちゆ0.6%
しよツちゆう0.6%
しゞふ0.6%
しゞゅう0.6%
とほして0.6%
はじめをは0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
御作さんは、考えたり、出したり、またはしまったりするので約三十分ほど費やした。その間も始終しじゅう心配そうに柱時計を眺めていた。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「道庵さんは始終しょっちゅう懇意こんいに致しておりますけれど、あの娘さんがどうしたことやら、文面が何のことやら、のみこめませんものですから」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「お前は始終しじう二階にゐて、皆んなと顏を合せてゐた筈ぢやないか。薄暗い四疊半にゐるのを、お前と間違へるのは變ぢやないかな」
この遊歩いうほあひだ武村兵曹たけむらへいそうめいずるまゝに、始終しじゆう吾等われらまへになり、うしろになつて、あらかじ猛獸まうじう毒蛇どくじや危害きがいふせいでれた、一頭いつとう猛犬まうけんがあつた。
彼女は始終しよつちゆう笑つてゐた。その笑はあてこすつたやうな笑で、彼女の弓形ゆみがたをした高慢な唇にたえず漂つてゐる表情もまた同じであつた。
それは始終しよつちうあなたの口にする短い言葉で、また度々私に果しないお喋べりを續けさせたものなんです——何故だかよくは分らないけれど。
ところが、母様おつかさんわたしとのほからないことをモ一人ひとりほかつてるものがあるさうで、始終しゞう母様おつかさんがいつておかせの、それ彼処あすこ置物おきもののやうにかしこまつて
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
始終とほしごたごたしてらち御座ござりませぬといふ、めうことのとおもひしが掃除さうぢのすみて日暮ひぐれれがたに引移ひきうつきたりしは、合乘あひのりのほろかけぐるま姿すがたをつゝみて、ひらきたるもん眞直まつすぐりて玄關げんくわんにおろしければ
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
屹度きツとたまちやんは世界中せかいぢゆうで一ばんねこちがひないわ!おゥ可愛かあいたまちやん!わたし今迄いまゝでのやうに始終しゞゆうまへそばられるかしら!
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
心をとめてよくその始終はじめをはりを較べなば、モとイッサの相似たるも彼と此との上にはいでじ 七—九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
積上つみあげられたる雜具がらくたうへに、いつでも烟管きせるくはへて寐辷ねそべつてゐるのは、としつた兵隊上へいたいあがりの、いろめた徽章きしやういてる軍服ぐんぷく始終ふだんてゐるニキタと小使こづかひ
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「ふふふ、あやしいもんだわ。始終しじふそんな道具立だうぐだてばかりなすたつて、お仕事しごとはうはちつともはこばないぢやないの」
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
始終ししう「はつはつはつは」といふ風にわらつてゐられるのが、フロツクでもたると、詞とほり呵々大せうになる。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
唐土もろこしの書)此せつむなしからず、越後の雪中にも雪蛆せつじよあり、此虫早春の頃より雪中にしやうじ雪消終きえをはれば虫も消終きえをはる、始終ししゆう死生しせいを雪とおなじうす。字書じしよあんずるに、じよ腐中ふちゆうはへとあれば所謂いはゆる蛆蠅うじばへ也。
には卯平うへい始終しじゆくさむしつて掃除さうぢしてあるのに、蕎麥そばまへに一たん丁寧ていねいはうきわたつたのでるから清潔せいけつつてたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かれから間もなく父は死んで了ふ、婿といふのが思ツたより意久地がなくツて、到底一家を支へて行く力がなかツたばかりか、病身で稼が思ふやうでないで、家が始終しよつちゆゴタ/\する。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
何時いつも自分で自分の脈をたり、胸をコツ/\叩いて見たりして、始終しよツちゆう人體の不健全を説いてゐる因循な醫學生としては、滅多と無い活溌々地の大活動と謂はなければなるまい。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
さうしてつたところ始終しゞふそとで、たま其下宿そのげしゆくつたこともあつたけれど、自分じぶん其様そん初々うひ/\しいこひに、はだけがすほど、其時分そのじぶん大胆だいたんでなかつたとふことをたしかめた。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
ロミオ あゝ/\! こひめは始終しゞゅう目隱めかくしをしてゐて、けれども存分ぞんぶんそのまとをばとめをる!……え
與吉よきちらたえしたもんだな、始終とほしてもらつてな」みせ女房にようばうがいふのをくのは與吉よきちよりもむし卯平うへいこゝろ滿足まんぞくかんずるのであつた。しか與吉よきちうして段々だん/\卯平うへいちかづいて學校がくかうからかへつたといつては
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
心當こゝろあてに助十樣と御尋おたづね申せしと始終はじめをはりを物語りけるに兩人は思はず涙を流し偖々さて/\いまだ年も行ぬ身を以て百餘里のみちくだ親公おやごほね
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)