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點々
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てん/\
八木奬三郎氏の
實見談に據れば此岡の麓には今尚ほ
貝殼點々散布して、曾て一大貝塚有りし
證跡を留むと云ふ。此地海岸を
距る事凡一里。
青田の
畦畔には
處々に
萱草が
開いて、
田の
草を
掻くとては
村落の
少女が
赤い
帶を
暑い
日に
燃やさない
日でも、
萎んでは
開いて
朱杯の
如く
點々と
耕地を
彩るのである。
それで
先づ
樽の
貝塚が
探檢したくなつたので、四十一
年六
月四
日、
樽に
行つて
見た。
然るに
今は
全滅して、
僅かに
畠に
貝殼が
點々浮いて
居る
位ゐで、
迚も
層を
見る
事は
出來ぬ。
元來この
帶の
樹木はすべて
常緑濶葉樹で、こなら、くぬぎ
等の
落葉濶葉樹がその
間に
點々と
混つてゐる
筈なのですが、
常緑濶葉樹は
昔からたび/\
伐られたり、
又は
野火の
害に
會つたため、
數が
減り