麥藁帽むぎわらばう)” の例文
新字:麦藁帽
旅商人たびあきうどけば、蝙蝠傘かうもりがさ張替直はりかへなほしもとほる。洋裝やうさうしたぼつちやんのいて、麥藁帽むぎわらばう山腹さんぷくくさつてのぼると、しろ洋傘パラソル婦人ふじんつゞく。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
宗助そうすけ着流きながしのまゝ麥藁帽むぎわらばうつた友達ともだち姿すがたひさぶりながめたとき夏休なつやすまへかれかほうへに、あたらしい何物なにものかゞさらくはへられたやうがした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
やみにもよろこびあり、ひかりにもかなしみあり麥藁帽むぎわらばうひさしかたむけて、彼方かなたをか此方こなたはやしのぞめば、まじ/\とかゞやいてまばゆきばかりの景色けしき自分じぶんおもはずいた。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
くしやりと麥藁帽むぎわらばうつぶして仕舞しまつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)