高窓たかまど)” の例文
高窓たかまど障子しょうじやぶあなに、かぜがあたると、ブー、ブーといって、りました。もうふゆちかづいていたので、いつもそらくらかったのです。
風はささやく (新字新仮名) / 小川未明(著)
いまとはちがってそのころは武士町の高窓たかまどに灯がうっすりと漏れているだけで、道路の上はただうるしのような闇になっているのです。
ゆめの話 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
旧冬きうとうより降積ふりつもりたる雪家のむねよりも高く、春になりても家内薄暗うすくらきゆゑ、高窓たかまどうづめたる雪をほりのけてあかりをとること前にもいへるが如し。
徳田秋声君の家の隣家の二十歳ばかりの青年が、ちょうど徳田家の高窓たかまどの外にあった地境じざかいの大きな柿の樹の下に、下駄げたを脱ぎてたままで行方不明になった。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
営舎えいしゃ高窓たかまどががた/\とれる
旧冬きうとうより降積ふりつもりたる雪家のむねよりも高く、春になりても家内薄暗うすくらきゆゑ、高窓たかまどうづめたる雪をほりのけてあかりをとること前にもいへるが如し。
佐吉さきちていると、高窓たかまどやぶれから、ちらちらとほしひかりがさしこみます。それは、あおいガラスのようにさえたふゆそらかがやいているのでありました。
酔っぱらい星 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、まったくよるになって、とこなかはいりますと、いつも高窓たかまどから一つぼしひかりがもれてさすのでありました。
酔っぱらい星 (新字新仮名) / 小川未明(著)
高窓たかまどいろガラスからながれる、むらさきや、あお光線こうせんは、不思議ふしぎゆめくにおもわせました。
鳥鳴く朝のちい子ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、いつものように高窓たかまどやぶれからそらあおぎますと、不思議ふしぎにも、ちょうど、三かく帽子ぼうしあたまにかぶったおじいさんが、よちよちところびそうに、大空おおぞらのぼってゆくのでありました。
酔っぱらい星 (新字新仮名) / 小川未明(著)