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静々
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しずしず
ふりがな文庫
“
静々
(
しずしず
)” の例文
旧字:
靜々
ただ、
初
(
はじめ
)
から不思議な血のあとを拾って、列を縫って
検
(
しら
)
べて
行
(
ゆ
)
くと、
静々
(
しずしず
)
と揃って練る時から、お珊の袴の影で留ったのを人を知った。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さっそくに出迎えに出た
女将
(
おかみ
)
に、今夜は倉地が帰って来たら
他所
(
よそ
)
の
部屋
(
へや
)
で寝るように用意をしておいてもらいたいと頼んで、
静々
(
しずしず
)
と二階へ上がって行った。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
風呂に入る時などは幕を張り、
屏風
(
びょうぶ
)
をめぐらし、そして
静々
(
しずしず
)
と、ふくよかな羽根布団にくるまれて、室内を軽く
辷
(
すべ
)
る車で、それらの人々にはこばせるのであった。
明治美人伝
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
そこには、肉迫して来る
刃
(
やいば
)
の潮の後方に、紅の一点が
静々
(
しずしず
)
と赤い帆のように彼の方へ進んでいた。長羅はひらりと馬首を敵軍の方へ振り向けた。馬の腹をひと蹴り蹴った。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
フランス王朝風、
支那
(
しな
)
宮女風、カルメン風、
歌麿
(
うたまろ
)
風など、あらゆる
艶麗
(
えんれい
)
または優美の限りをつくした衣裳が、次々に舞台の上で、精妙な照明の変化のまにまに、
静々
(
しずしず
)
と着用されてゆくのであつた。
わが心の女
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
▼ もっと見る
軒を吹き、廂を
掠
(
かす
)
め、梢を鳴らし、一陣たちまち
虚蒼
(
あそぞら
)
に拡がって、ざっという音
烈
(
はげ
)
しく、丸雪は小雪を誘って、八方十面降り乱れて、
静々
(
しずしず
)
と落ちて来た。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
愛子はこうまで姉にたしなめられても、さからうでもなく
怒
(
おこ
)
るでもなく、黙ったまま柔順に、多恨な目で姉をじっと見て
静々
(
しずしず
)
とその座をはずしてしまった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
御前
(
おんまえ
)
を
間
(
あわい
)
三
間
(
げん
)
ばかりを
隔
(
へだ
)
つて其の
御先払
(
おさきばらい
)
として、
袿
(
うちぎ
)
、
紅
(
くれない
)
の
袴
(
はかま
)
で、
裾
(
すそ
)
を長く
曳
(
ひ
)
いて、
静々
(
しずしず
)
と
唯
(
ただ
)
一人、
折
(
おり
)
から菊、
朱葉
(
もみじ
)
の
長廊下
(
ながろうか
)
を渡つて来たのは
藤
(
ふじ
)
の
局
(
つぼね
)
であつた。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
目を
擦
(
こす
)
り、目を
睜
(
みは
)
り、目を
拭
(
ぬぐ
)
いいる客僧に立別れて、やがて
静々
(
しずしず
)
——
狗
(
いぬ
)
の顔した腰元が、ばたばたと
前
(
さき
)
へ立ち、炎燃ゆ、と
緋
(
ひ
)
のちらめく袖口で音なく開けた——雨戸に
鏤
(
ちりば
)
む星の
首途
(
かどいで
)
。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其
(
それ
)
をば少しづゝ、出口へ誘ふやうに、局は
静々
(
しずしず
)
と
紅
(
くれない
)
の袴を廊下に引く。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
処
(
ところ
)
で、今度、隅田川
両岸
(
りょうがん
)
の
人払
(
ひとばらい
)
、いや人よせをして、
件
(
くだん
)
の陣羽織、菊綴、
葵紋服
(
あおいもんぷく
)
の
扮装
(
いでたち
)
で、拝見ものの博士を伴ひ、弓矢を
日置流
(
へぎりゅう
)
に
手
(
た
)
ばさんで
静々
(
しずしず
)
と
練出
(
ねりだ
)
した。飛びも、立ちもすれば
射取
(
いと
)
られう。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
静
常用漢字
小4
部首:⾭
14画
々
3画
“静”で始まる語句
静
静寂
静謐
静粛
静止
静脈
静岡
静坐
静御前
静心