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雨漏
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あまも
ふりがな文庫
“
雨漏
(
あまも
)” の例文
土蔵一つだけ残っていますが、あれはひどい
雨漏
(
あまも
)
りで、山崎様
御盛
(
ごさかん
)
の頃払下げになり、取りこわすつもりで、そのままになっております
銭形平次捕物控:140 五つの命
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
などと、思うまいとする思いが、
雨漏
(
あまも
)
りみたいに、胸にシミ出すと、かれは、父へのおそれも、弟への気がねも、今は、何ものでもなく
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
壁にぴたりとくっつけてあるが、その壁紙には
雨漏
(
あまも
)
りのしみが、ツララのさがっている形を描いていた。剣のようにも見える。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
女形の
衣笠
(
きぬがさ
)
や四郎五郎なぞという俳優の現代物が、
雨漏
(
あまも
)
りのした壁画のような画面を展開していたにすぎなかった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
雨漏
(
あまも
)
りの水が板の間を伝って流れて来るように、紙が眼の前を流れて行くから、いったい、何をそれほど熱心に書いているのだろうと、のぞいて見ると
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
どこかで
雨漏
(
あまも
)
りがするらしく、天井の裏でときどきにしずくの落ちる音がほとほとと聞えるのも寂しかった。紙のすすけた行燈の灯は陰ったようにぼんやりと暗かった。
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
いくら修繕しても
雨漏
(
あまも
)
りがして、今ぢやとても住めたものぢやありませんよ。
夜の鳥
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
その部屋
丈
(
だ
)
けは割に明るい電燈が下っているけれど、うす黒くなった
襖
(
ふすま
)
、破れた
障子
(
しょうじ
)
、
雨漏
(
あまも
)
りの目立つ砂壁、すすけた天井、
凡
(
すべ
)
ての様子がイヤに陰気で、まるで相馬の
古御所
(
ふるごしょ
)
といった感じだ。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
壁
(
かべ
)
の
破
(
やぶ
)
れも、
防
(
ふせ
)
がねばならず、
雨漏
(
あまも
)
りも
留
(
と
)
めたし、……その
何
(
なに
)
よりも、
火
(
ひ
)
をまもるのが、
町内
(
ちやうない
)
の
義理
(
ぎり
)
としても、
大切
(
たいせつ
)
で、
煙草盆
(
たばこぼん
)
一
(
ひと
)
つにも、
一人
(
ひとり
)
はついて
居
(
ゐ
)
なければならないやうな
次第
(
しだい
)
であるため
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
硝子
(
ガラス
)
戸から客間を
覗
(
のぞ
)
いて見ると、
雨漏
(
あまも
)
りの
痕
(
あと
)
と鼠の食つた穴とが、白い紙張りの
天井
(
てんじやう
)
に
斑々
(
はんぱん
)
とまだ残つてゐる。が、十畳の座敷には、赤い
五羽鶴
(
ごはづる
)
の
毯
(
たん
)
が敷いてあるから、畳の古びだけは
分明
(
ぶんみやう
)
でない。
東京小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
七
雨漏
(
あまも
)
りにも
眠
(
ねむり
)
を
妨
(
さまた
)
げず。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
「てめえの家の
餓鬼
(
がき
)
か。この
悪戯
(
わるさ
)
のために、
雨漏
(
あまも
)
りがして、どうもならぬゆえ、
懲
(
こ
)
らしめてくれたのが、何とした」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
硝子戸から客間を
覗
(
のぞ
)
いて見ると、
雨漏
(
あまも
)
りの痕と鼠の食つた穴とが、白い紙張りの
天井
(
てんじよう
)
に
斑々
(
はんぱん
)
とまだ残つてゐる。が、十畳の座敷には、赤い
五羽鶴
(
ごはづる
)
の
毯
(
たん
)
が敷いてあるから、畳の古びだけは
分明
(
ぶんみやん
)
ではない。
漱石山房の秋
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「去年お取潰しになつた、
讃州
(
さんしう
)
丸龜
(
まるがめ
)
の山崎
志摩守
(
しまのかみ
)
樣の御下屋敷跡ですよ。土藏一つだけ殘つて居ますが、あれはひどい
雨漏
(
あまも
)
りで、山崎樣御盛の頃拂下げになり、取こはすつもりで、そのまゝになつて居ります」
銭形平次捕物控:140 五つの命
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
雨
常用漢字
小1
部首:⾬
8画
漏
常用漢字
中学
部首:⽔
14画
“雨”で始まる語句
雨
雨戸
雨滴
雨露
雨風
雨傘
雨乞
雨樋
雨垂
雨気