門弟もんてい)” の例文
いきなり一火のたまへドカドカと入ろうとすると、なかから姿すがたをあらわした鐘巻一火じしんと、屈強くっきょう門弟もんていが、とばりの入口にたちはだかって
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
春信はるのぶは、こいからはなすと、きゅうおもいだしたように、縁先えんさき万年青おもと掃除そうじしている、少年しょうねん門弟もんてい藤吉とうきちんだ。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
乞ひければおくより竹具足たけぐそくつけいまめん小手こてを取たるばかりにてせい/\といききりながら一人の門弟もんてい取次とりつぎに出を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
門弟もんていはクスクス笑い出して
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
いずれへお渡しいたすのが正義せいぎなりや、一火いっかもホトホトとうわくつかまつるしだい、ついては、ざんじ休息きゅうそくのうえ、門弟もんていたちとも評議ひょうぎをかさねてあらためてご返答へんとうをいたす考え
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なし是より三人づれにて丸龜城下なる後藤半四郎の方へといたりけり又後藤方にては此日は丁度ちやうど稽古日けいこびにておほく門弟もんていあつま竹刀しなひおと懸聲かけごゑかまびしく今稽古けいこ眞最中まつさいちうなる所へ三人は玄關げんくわんかゝ案内あんない
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一門の門弟もんてい四、五十人をひきして、おなじく、御岳山上みたけさんじょうの一たんに、短銃たんじゅうッちがえの定紋じょうもんをつけたまくをはりめぐらし、そのうちにひかえて、すでに火術試合かじゅつじあいの申しでをしている一組ひとくみだったが
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
明れば享保九年正月三日竹本政太夫たけもとまさだいふの方にては例年の通り淨瑠璃じやうるりかたそめなりとて門弟もんてい中打集まり一しほ賑々にぎ/\しくひと出入でいりも多かりける其頃西の丸の老中安藤對馬守殿あんどうつしまのかみどのの家來に味岡あぢをか勇右衞門と云ふひとありしが政太夫を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)