長者ちやうじや)” の例文
つる千年せんねんかめ萬年まんねん人間にんげん常住じやうぢういつも月夜つきよこめめしならんをねがかりにも無常むじやうくわんずるなかれとは大福だいふく長者ちやうじやるべきひと肝心かんじん肝要かんえうかなめいしかたつてうごかぬところなりとか
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
のあたりにすまふなるだい/\長者ちやうじや吉例きちれいよろ昆布こんぶ狩衣かりぎぬに、小殿原ことのばら太刀たち佩反はきそらし、七草なゝくささと若菜わかなむとて、讓葉ゆづりはつたるが、郎等らうどう勝栗かちぐりんでいはく、あれに袖形そでかたうらなぎさに、むらさき女性によしやうそ。
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
門内に広い芝生しばふのあるのは、長者ちやうじや鹿島龍蔵かしまりゆうざうの家。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
たとへのやうな貧苦ひんくなかでも二人ふたりそろつてそだてる長者ちやうじやくらしといひまする、わかれゝば片親かたおやなににつけても不憫ふびんなは此子このことおおもひなさらぬか、あゝはらはたくさつひと可愛かあいさもわかりはすまい
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)