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道人
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だうじん
殿よツく
聞し
召し、
呵々と
笑はせ
給ひ、
余を
誰ぢやと
心得る。コリヤ
道人、
爾が
天眼鏡は
違はずとも、
草木を
靡かす
我なるぞよ。
道人の
曰く、
君常に
官に
宿直の
夜に
當りては、
奧方必ず
斯の
馬に
乘つて
出でらるゝなり。
君更に
知りたまふまじ。
然るにても
其の
餘りの
美しさに、ひととなりて
後國を
傾くる
憂もやとて、
當時國中に
聞えたる、
道人何某を
召出して、
近う、
近う、
爾よく
此の
可愛きものを
想せよ、と
仰せらる。
心得たか、と
語らせ
給へば、
羅漢の
末席に
侍ひて、
悟顏の
周梨槃特、
好もしげなる
目色にて、わが
佛、わが
佛殿と
道人の
問答より、
木の
葉を
衾の
男女の
睦言、もそつとお
説きなされと
言ふ。
“道人”の意味
《名詞》
(どうにん)仏道に入り悟を得た者。
(どうじん)道教を修めた者。道士。
(どうじん)神仙の道を修めた者。仙人。
(どうじん)世捨て人。
(出典:Wiktionary)