通拔とほりぬ)” の例文
新字:通抜
彼處あすこ通拔とほりぬけねばならないとおもふと、今度こんど寒氣さむけがした。われながら、自分じぶんあやしむほどであるから、おそろしくいぬはゞかつたものである。
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ると、する/\とうごく。障子しやうじはづれにえたとおもふと、きり/\といたつて、つる/\とすべつて、はツとおもたもとしたを、悚然ぞつむねつめたうさして通拔とほりぬけた。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
部屋へや四疊よでふけた。薄暗うすぐらたてなが一室いつしつ兩方りやうはうふすま何室どつちほか座敷ざしき出入でいり出來できる。つまおくはうから一方いつぱうふすまけて、一方いつぱうふすまから玄關げんくわん通拔とほりぬけられるのであつた。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
第一だいいちいたいとの、玩弄具おもちやとりが、たゝずんだものを、むかうへ通拔とほりぬけるすうはない。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ない。」とつぶやくがごとくにいつて、そのまゝ通拔とほりぬけようとする。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)