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逃
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にぐ
ふりがな文庫
“
逃
(
にぐ
)” の例文
思起すと、私はもう一足も其の方へ
近
(
ちかづ
)
くのに堪へぬやうな氣がして、
逃
(
にぐ
)
るが如く東照宮の石段を
上
(
のぼ
)
つて、杉の木立の中に迷ひ入つた。
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
ピストイアは我に
應
(
ふさは
)
しき
岩窟
(
いはあな
)
なりき、われ導者に、彼に
逃
(
にぐ
)
る勿れといひ、また彼をこゝに陷らしめしは何の罪なるやを尋ねたまへ
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
例
(
れい
)
の石がちやんと
目
(
め
)
の
下
(
した
)
に
横
(
よこた
)
はつて居たので其まゝ
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
み、石を
懷
(
だい
)
て
濡鼠
(
ぬれねずみ
)
のやうになつて
逃
(
にぐ
)
るが
如
(
ごと
)
く
家
(
うち
)
に
歸
(
かへ
)
つて來た。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
常人
(
つねなみのひと
)
ならば
吁
(
あ
)
といひて
逃
(
にぐ
)
べきに、さはなくてその方に身を
対
(
むけ
)
てつら/\見るに、
斯
(
かう
)
闇
(
くら
)
くなりしにかゝるものゝあり/\と見ゆるもたゞ人ならじと猶よく見れば
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
が、
咫尺
(
しせき
)
も弁ぜざる
冥濛
(
めいもう
)
の雪には彼も少しく
辟易
(
へきえき
)
して、
逃
(
にぐ
)
るとも無しに
彼
(
か
)
の
空屋
(
あきや
)
の
軒前
(
のきさき
)
へ転げ込んだ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
いひつつ走りよりて、「やをれ黒衣、
逃
(
にぐ
)
るとて逃さんや」ト、一声高く
吠
(
ほ
)
えかくれば。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
爲
(
なし
)
ねと言るゝ程猶
彌増
(
いやます
)
未通女心
(
おぼこごゝろ
)
の
初戀
(
はつこひ
)
に
慕
(
した
)
ふお方と縁の
糸
(
いと
)
結
(
むす
)
んで
解
(
とけ
)
て末長く添るゝ事も父親が
承知
(
しようち
)
とあれば
竟
(
つひ
)
斯々と言んとすれど
言
(
い
)
ひ
兼
(
かね
)
しが斯ては
果
(
はて
)
じと思ふよりハイ
吾儕
(
わたくし
)
は
彼方
(
あのかた
)
なれば實に嬉しう御座りますと有か無かは聲出して思ひ
切
(
きつ
)
てぞ言たる儘發と
面
(
おもて
)
に
紅葉
(
もみぢ
)
して座にも
得堪
(
えたへ
)
ず勝手の方へ
逃
(
にぐ
)
るが如く行たるは
娘意
(
むすめごころ
)
ぞ然も有可し父は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
逃
常用漢字
中学
部首:⾡
9画
“逃”を含む語句
逃亡
逃出
逃路
逃去
逃散
逃入
逃避
逃走
取逃
見逃
夜逃
逃帰
逃込
逃失
逃水
逃竄
持逃
逃廻
逃延
逃入村
...