足腰あしこし)” の例文
例えば『浮草うきくさ』の如き丁度関節炎を憂いて足腰あしこしたないでていた最中で、病床に腹這はらんばいになって病苦と闘いながらポツポツ訳し
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
わづらひ漸く全快はなしたれども足腰あしこしよわ歩行事あゆむことかなはず日々身代に苦勞なすと雖種々しゆ/″\物入ものいりかさみ五年程に地面も賣拂うりはらひ是非なく身上を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「見うけるところ、二ひきとも、乞食こじきにちかい六部ろくぶ雲水うんすい下手へたなところへでしゃばると、足腰あしこしたたぬ片端者かたわものにしてくれるぞ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
作爺さんは、いつぞやの病気以来、足腰あしこしの立たない人間になってしまった。はって、家の中のことだけはできるけれど。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
木曾馬きそうまちひさいが、足腰あしこし丈夫ぢやうぶで、よくはたらくとつて、それをひに博勞ばくらう毎年まいねん諸國しよこくからあつまります。博勞ばくらうとはうま賣買うりかひ商賣しやうばいにするひとのことです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
この地蔵は、最初は、足腰あしこしの病によく信心が利くと伝えられた、それから勝負事をするものにも信仰された。
そのうちに自分でもどうやら足腰あしこしの確かでないことに気がついたらしく、とうとう家へ帰ると言いだした。
マーキュ ふん、あんなをりには、足腰あしこしかたちがふといふのぢゃな?
うゑかつゑたうへどくあたつて、足腰あしこしたないものをうしませう?……
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)