薄気味うすきみ)” の例文
旧字:薄氣味
なんにもはずきふにものもいはれないでみまもると、親仁おやぢはじつとかほたよ。うしてにや/\と、またとほり笑方わらひかたではないて、薄気味うすきみわる北叟笑ほくそゑみをして
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ところへ大きなたけしやくもある白張しらはり提灯ちやうちんつるさがつてります、其提灯そのちやうちんわりには蝋燭ろうそくほそうございますからボンヤリして、うも薄気味うすきみの悪いくらゐなん陰々いん/\としてります。
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
最初さいしょうまるのがなにやら薄気味うすきみわるいようにおもわれましたが、ってりますうちにだんだんと乗馬じょうばきになったとうよりも、むしうま可愛かわいくなってたのでございます。
まだ光枝が名乗りもしないのに、紳士の方では、彼女のことを先刻せんこく知っているといったような態度を示しているのだ。どことなく薄気味うすきみわるさが、彼女の背筋せすじいあがってくる。
什器破壊業事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「まいどおおけに」「どうぞごひいきに」夫婦がかりで薄気味うすきみわるいほどサーヴィスをよくしたが、人気じんきが悪いのか新店のためか、その日は十五人客が来ただけで、それもほとんど替刃ばかり
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
なんだか薄気味うすきみの悪い問いぶり。
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
なんだか薄気味うすきみがわるいわ
何んにも言わず急にものもいわれないでみまもると、親仁おやじはじっと顔を見たよ。そうしてにやにやと、また一通りの笑い方ではないて、薄気味うすきみの悪い北叟笑ほくそえみをして
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
現世げんせ人達ひとたちかられば、というものはなにやら薄気味うすきみのわるい、なにやら縁起えんぎでもないものにおもわれるでございましょうが、わたくしどもかられば、それは一ぴきまゆやぶってるのにもるいした
薄気味うすきみわるい表情と口調とで、訓戒くんかいを与えるのだった。
電気看板の神経 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「おお、薄気味うすきみが悪いねえ。」
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)