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肩
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がた
ふりがな文庫
“
肩
(
がた
)” の例文
ぜんたい欧洲種の猫は、肩の線が日本猫のやうに
怒
(
いか
)
つてゐないので、
撫
(
な
)
で
肩
(
がた
)
の美人を見るやうな、すつきりとした、イキな感じがするのである。
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
中背
(
ちゅうぜい
)
の
撫
(
な
)
で
肩
(
がた
)
の上にラファエルのマリア像のような線の首筋をたて、首から続く
浄
(
きよ
)
らかな
顎
(
あご
)
の線を細い
唇
(
くちびる
)
が締めくくり、その唇が少し前へ突き出している。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
黒縮緬
(
くろちりめん
)
の三つ紋を
撫
(
な
)
で
肩
(
がた
)
に着こなして、くすんだ
半襟
(
はんえり
)
に、
髷
(
まげ
)
ばかりを古風につやつやと光らしている。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
シグナレスはしくしく
泣
(
な
)
きながら、ちょうどやって来る二時の汽車を
迎
(
むか
)
えるためにしょんぼりと
腕
(
うで
)
をさげ、そのいじらしいなで
肩
(
がた
)
はかすかにかすかにふるえておりました。
シグナルとシグナレス
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
深夜の
小田原
(
おだわら
)
の町を、六
枚
(
まい
)
肩
(
がた
)
で二挺立ての
早駕
(
はや
)
が、汗に
嗄
(
か
)
れた声をあげて、真っ黒に通った。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
若夫人は美しかつたが、服装の加減でむしろあどけない様子であつた。ひどく
撫
(
な
)
で
肩
(
がた
)
に見えて、胴が皮帯で
蜂
(
はち
)
のやうに細く締めつけられてゐる若夫人に、私は英語で
挨拶
(
あいさつ
)
した。
南京六月祭
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
しまい
肩
(
がた
)
ばつた/\と何にもかも
夕
(
ゆふ
)
べの夢の過たる惡事先第一は
現在
(
げんざい
)
の弟を殺して
此所
(
こゝ
)
に居る
姪
(
めひ
)
のお文の身の
代金
(
しろきん
)
を
奪
(
うば
)
ひ取たる
後腹
(
あとばら
)
は道十郎の
傘
(
からかさ
)
で
廣
(
ひろ
)
がる惡事を
骨
(
ほね
)
さへ折ず中山殿を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
やがて小夜子は
焚
(
た
)
き口の方に立って、髪をすいた。なだらかな
撫
(
な
)
で
肩
(
がた
)
、
均齊
(
きんせい
)
の取れた手や足、その
片膝
(
かたひざ
)
を立てかけて、髪を束ねている図が、
春信
(
はるのぶ
)
の描く美人の型そのままだと思われた。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
まわりの円味がかった平凡な地形に対して天柱山と吐月峰は
突兀
(
とっこつ
)
として秀でている。けれども
矗
(
ちく
)
とか
峻
(
しゅん
)
とかいう
峙
(
そばだ
)
ちようではなく、どこまでも
撫
(
な
)
で
肩
(
がた
)
の柔かい線である。
東海道五十三次
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
“肩”の意味
《名詞》
(かた)うでの胴体に付く関節の上の箇所。
(出典:Wiktionary)
“肩”の解説
肩(かた、英:shoulder)とは、
人の腕が胴体に接続する部分の上部、
および、そこから首の付け根にかけての部分
。
動物の前肢や翼が胴体に接続する部分の上部。
(出典:Wikipedia)
肩
常用漢字
中学
部首:⾁
8画
“肩”を含む語句
肩掛
肩胛骨
双肩
肩巾
肩胛
肩衣
撫肩
肩章
肩越
両肩
肩上
此肩
肩輿
左肩
肩肘
左肩胛骨
肩揚
肩幅
一肩
弱肩
...