老母らうぼ)” の例文
申位なら去年紛失ふんじつの節訴へていたゞきますが私しは奉公の身の上なれば金は入らねどたゞ老母らうぼの病を治し度一心にて出ましたに名前を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
すると軌道レール沿ふて三にん田舍者ゐなかもの小田原をだはら城下じやうかるといふ旅裝いでたちあかえるのはむすめの、しろえるのは老母らうぼの、からげたこし頑丈ぐわんぢやうらしいのは老父おやぢさんで
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
われかつたびつかへてたびきみはる。鮑叔はうしゆくわれもつ(九)不肖ふせうさず、ときはざるをればなりわれかつたびたたかうてたびはしる。鮑叔はうしゆくわれもつけふさず、われ老母らうぼるをればなり
右の通りしたゝめて有りければ城富も老母らうぼ先々まづ/\安心あんしんなりとて委細畏まり奉つり候と返事へんじを養母に認めもらひて使の者を返しける
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
伸一先生しんいちせんせい給料きふれうつき十八ゑんしか受取うけとりません、それで老母らうぼ妻子さいし、一にん家族かぞくやしなふてるのです。家産かさんといふは家屋敷いへやしきばかり、これを池上權藏いけがみごんざう資産しさんくらべてると百分一ひやくぶんのいちにもあたらないのです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
うみ奉つり産後肥立さんごひだちかね相果られ其後は老母らうぼの手にて御養育ごやういく申せしが右の老母病死びやうしみぎり若君をば同國相川郡あひかはごほり尾島村淨覺院じやうかくゐんと申す寺の門前に御證據しようこの品を相添あひそへ捨子すてごとして有しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)