縁傳えんづた)” の例文
新字:縁伝
けれども、屏風びやうぶ宗助そうすけまをとほり、もなくおくから縁傳えんづたひにはこされて、かれまへあらはれた。さうしてそれ豫想通よさうどほりつい此間このあひだまで自分じぶん座敷ざしきてゝあつたものであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
三十ぷんばかりして格子かうしががらりといたので、御米およねまた裁縫しごとめて、縁傳えんづたひに玄關げんくわんると、かへつたとおも宗助そうすけかはりに、高等學校かうとうがくかう制帽せいばうかぶつた、おとうと小六ころく這入はいつてた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
細君さいくんわるいともかねたとえて、其上そのうへあらそひもしなかつた。宗助そうすけ郵便いうびんつたまゝ座敷ざしきから玄關げんくわんた。細君さいくんをつと足音あしおといてはじめて、つたが、これちや縁傳えんづたひに玄關げんくわんた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)