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納戸色
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なんどいろ
ふりがな文庫
“
納戸色
(
なんどいろ
)” の例文
地
(
じ
)
は
納戸色
(
なんどいろ
)
、模様は薄き
黄
(
き
)
で、裸体の
女神
(
めがみ
)
の像と、像の周囲に一面に染め抜いた
唐草
(
からくさ
)
である。
石壁
(
いしかべ
)
の横には、大きな
寝台
(
ねだい
)
が
横
(
よこた
)
わる。
倫敦塔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ある日の午後、葉子は
庸三
(
ようぞう
)
の同意の下に、秋本の宿を訪問すべく、少し濃いめの
銀鼠地
(
ぎんねずじ
)
にお
納戸色
(
なんどいろ
)
の
矢筈
(
やはず
)
の
繋
(
つな
)
がっている、そのころ新調のお召を着て出て行った。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
その蔭に、遠い
灯
(
あかり
)
のちらりとするのを
背後
(
うしろ
)
にして、お
納戸色
(
なんどいろ
)
の薄い
衣
(
きぬ
)
で、ひたと板戸に身を寄せて、今出て行った
祖母
(
としより
)
の
背後影
(
うしろかげ
)
を、
凝
(
じっ
)
と見送る
状
(
さま
)
に
彳
(
たたず
)
んだ
婦
(
おんな
)
がある。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と膝に手を突いて起上りますると、
鼠小紋
(
ねずみこもん
)
の
常着
(
ふだんぎ
)
を
寝着
(
ねまき
)
におろして居るのが、汚れッ
気
(
け
)
が来ており、お
納戸色
(
なんどいろ
)
の
下〆
(
したじめ
)
を乳の下に堅く
〆
(
し
)
め、
溢
(
くび
)
れたように痩せて居ります。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
洲
(
す
)
のあらわれた河原には白い
鷺
(
さぎ
)
がおりて、
納戸色
(
なんどいろ
)
になった水には寒い風が吹きわたった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
田舎の女には珍らしくみづ/\して其のお
納戸色
(
なんどいろ
)
の型附
半襟
(
はんえり
)
の
裡
(
うち
)
から柔らかな白い首筋の線がのび/\と弧を描いて
耳柔
(
みゝたぶ
)
の裏の
生際
(
はえぎは
)
の奥に静かに消え上つてゐるのなどを彼は見た。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
雑木林の楢に
絡
(
から
)
む
自然薯
(
じねんじょ
)
の
蔓
(
つる
)
の葉が黄になり、
藪
(
やぶ
)
からさし出る
白膠木
(
ぬるで
)
が眼ざむる様な
赤
(
あか
)
になって、お
納戸色
(
なんどいろ
)
の小さなコップを幾箇も
列
(
つら
)
ねて
竜胆
(
りんどう
)
が咲く。
樫
(
かし
)
の木の下は、ドングリが
箒
(
ほうき
)
で掃く程だ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
私はすぐ傍にどしりと投げ
皺
(
しわ
)
められて
七宝配
(
しっぽうくば
)
りの箔が盛り上っている帯を
掬
(
すく
)
い上げながら、なお、お
納戸色
(
なんどいろ
)
の
千羽鶴
(
せんばづる
)
の着物や、源氏あし手の着物にも気を散らされながら、着物と帯をつき合せて
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
剃り立て頭に頭巾をかむり、無地の衣裳にお
納戸色
(
なんどいろ
)
の十徳、色の白い鼻の高い、眼のギョロリとした
凄味
(
すごみ
)
のある坊主、一見すると典医であるが、実は本丸のお
数寄屋
(
すきや
)
坊主、
河内山宗俊
(
こうちやまそうしゅん
)
が立っていた。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
大きに
草臥
(
くたび
)
れましたから茶店に腰を掛けて休んでいると、
其処
(
そこ
)
へ入って来たお百姓は
年齢
(
としごろ
)
四十四五で、木綿のぼうた
布子
(
ぬのこ
)
に羽織を上に着て、
千草
(
ちくさ
)
の股引で、お
納戸色
(
なんどいろ
)
の
足袋
(
たび
)
に
草鞋
(
わらじ
)
を
穿
(
は
)
き
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
納
常用漢字
小6
部首:⽷
10画
戸
常用漢字
小2
部首:⼾
4画
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
“納戸色”で始まる語句
納戸色地