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競爭
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きやうさう
『一、二、三、
進め』の
號令もなく、
各自に
皆勝手に
走り
出して
勝手に
止まりましたから、
容易に
競爭の
終りを
知ることが
出來ませんでした。
不忍の
池で
懸賞づきの
不思議な
競爭があつて、
滿都を
騷がせた
事がある。
彼の
池は
内端に
𢌞つて、
一周圍一里強だと
言ふ。
しかし
得意といふことは
多少競爭を
意味する。
自分の
畫の
好きなことは
全く
天性といつても
可からう、
自分を
獨で
置けば
畫ばかり
書いて
居たものだ。
……
聞いて、
眞實にはなさるまい、
伏木の
汽船が、
兩會社で
激しく
競爭して、
乘客爭奪の
手段のあまり、
無賃銀、たゞでのせて、
甲會社は
手拭を
一筋、
乙會社は
繪端書三枚を
景物に
出すと
言ふ。