-
トップ
>
-
突拔
>
-
つきぬ
背後は
突拔けの
岸で、こゝにも
地と
一面な
水が
蒼く
澄むで、ひた/\と
小波の
畝が
絶えず
間近う
來る。
斯うして
殆ど
毎日の
如く
掘つて
居る
間に、
萱原を三
間幅で十
間ばかり、
南から
北まで
掘進んで、
畑の
方まで
突拔けて
了つた。
大漢子の
兩手は、
伸をして、
天井を
突拔く
如く
空ざまに
棚に
掛る、と
眞先に
取つたのは、
彈丸帶で、
外套の
腰へぎしりと
〆め、
續いて
銃を
下ろして、ト
筈高にがツしと
掛けた。