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かながは
トロリとした
間に
鶴見も
神奈川も
過ぎて
平沼で
眼が
覺めた。
僅かの
假寢ではあるが、それでも
氣分がサツパリして
多少か
元氣が
附いたので
懲ずまに
義母に
右大膳儀先年
神奈川旅籠屋徳右衞門方に於て旅人を殺害し金子を
奪取其後天一坊に一
味致
謀計虚言を以て百姓町人を
欺き金銀を
掠取り衣食住に
侈奢身の程をも
辨へず
上を
電車が
神奈川に
初めて
通じた
時に、
其沿道低地に、
貝塚を
發見したといふ
人の
説を
聞き、
實地に
就てチヨイ/\
發掘して
見て、
破片の
香もせなんだ
例を
考へ、
又橘樹郡樽の
貝塚は
……
寂しいにつけ、
陰氣につけ、
隨所停車場の
燈は、
夜汽車の
窓の、
月でも
花でもあるものを——
心あての
川崎、
神奈川あたりさへ、
一寸の
間だけ、
汽車も
留つたやうに
思ふまでで