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真暗闇
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まっくらやみ
ふりがな文庫
“
真暗闇
(
まっくらやみ
)” の例文
旧字:
眞暗闇
『
誰人
(
だれ
)
も
迎
(
むか
)
えに
来
(
き
)
てくれるものはないのかしら……。』
私
(
わたくし
)
はまるで
真暗闇
(
まっくらやみ
)
の
底無
(
そこな
)
しの
井戸
(
いど
)
の
内部
(
なか
)
へでも
突
(
つ
)
き
落
(
おと
)
されたように
感
(
かん
)
ずるのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
だが、その橋の下はもちろんのこと、橋の手まえも、橋の向こう側も、
真暗闇
(
まっくらやみ
)
だ。その不安な橋をトボトボと
辿
(
たど
)
ってゆくのが、お互いの人生だ
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
「七、八年も坑夫をしていれば、
凡
(
およ
)
そ四、五年間位は
打
(
ぶ
)
ッ続けに
真暗闇
(
まっくらやみ
)
の底にいて、一度だって太陽を拝まなかったことになる、四、五年も!」
蟹工船
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
今にも
窒息
(
ちっそく
)
せんず思いなるを、警官は
容赦
(
ようしゃ
)
なく
窃盗
(
せっとう
)
同様に
待遇
(
あし
)
らいつつ、この内に
這入
(
はい
)
れとばかり妾を
真暗闇
(
まっくらやみ
)
の室内に突き入れて、また
閂
(
かんぬき
)
を
鎖
(
さ
)
し固めたり。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
人間ならば、こんな
真暗闇
(
まっくらやみ
)
の中では、何も目に見えないし、一歩も歩けはしないのに、この機械人間は、ちゃんと迷いもせずに、歩いたり、品物を見つけたりするのである。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
『そして、このくだらない喧嘩を止してよ。あたしは、まあしばらく
真暗闇
(
まっくらやみ
)
を楽しみましょう。でも、はやくお取りったらさあ。でないと、あたしがまた額に嵌めてしまうよ!』
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
果して瑞巌寺の門内、法身窟の前の
真暗闇
(
まっくらやみ
)
の中に、まっしぐらに走り入ると、その闇の中の行手から息せききって走って来る一人の人の姿と、ムクとが、バッタリと出会いました。
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
さ、さ、とお絹の
褄捌
(
つまさば
)
きが床を抜ける冷たい夜風に聞えるまで、
闃然
(
げきぜん
)
として、袖に褄に散る
人膚
(
ひとはだ
)
の花の香に、穴のような
真暗闇
(
まっくらやみ
)
から、いかめの鬼が出はしまいか——私は胸を
緊
(
し
)
めたのです。
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いいかね東風君、二三歩出たがまた引き返して、国を出るとき三円二十銭で買った
赤毛布
(
あかげっと
)
を頭から
被
(
かぶ
)
ってね、ふっとランプを消すと君
真暗闇
(
まっくらやみ
)
になって今度は
草履
(
ぞうり
)
の
所在地
(
ありか
)
が判然しなくなった
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
性懲
(
しょうこり
)
もなく又跡を追おうとしたが、その横町は一度大通りからそれると、まるで迷路のように入組んだ細道になっていて、その上
軒燈
(
けんとう
)
もない
真暗闇
(
まっくらやみ
)
なので、出来るだけ歩き廻って見たけれど
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その
中
(
うち
)
に右に曲ったり左に折れたりして
扉
(
ドア
)
を三つか四つぐらい潜って、もうだいぶ下へ降りたナ……と思ったトタンに廊下の天井に
点
(
つ
)
いていた電燈が
突然
(
だしぬけ
)
に消えちゃって
真暗闇
(
まっくらやみ
)
になっちまいました。
人間腸詰
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その
中
(
うち
)
不図
(
ふと
)
誰
(
だれ
)
かに
自分
(
じぶん
)
の
名
(
な
)
を
呼
(
よ
)
ばれたように
感
(
かん
)
じて
眼
(
め
)
を
開
(
ひら
)
きましたが、
四辺
(
あたり
)
は
見渡
(
みわた
)
すかぎり
真暗闇
(
まっくらやみ
)
、
何
(
なに
)
が
何
(
なに
)
やらさっぱり
判
(
わか
)
らないのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
あとは、
真暗闇
(
まっくらやみ
)
の広っぱを、その狂人が躍り上り、躍り上って狂い走ります。
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それが前に云った通りぬるぬるする。梯子を一つ片づけるのは容易の事ではない。しかもそれが十五ある。初さんは、とっくの昔に消えてなくなった。手を離しさえすれば
真暗闇
(
まっくらやみ
)
に
逆落
(
さかおと
)
しになる。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ほかの二人は
真暗闇
(
まっくらやみ
)
だということ、それから、その目が手から手へと渡されているちょっとの間は、この可哀そうなおばあさん達の誰もが、ちっとも物が見えないということが、すぐ分るでしょう。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
舞台監督兼主役の吾輩からして一寸先は
真暗闇
(
まっくらやみ
)
だ。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
月影さえない
真暗闇
(
まっくらやみ
)
の中だった。
空中墳墓
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
只
(
ただ
)
岩山と
濁
(
にご
)
り海、
真暗闇
(
まっくらやみ
)
のその
中
(
うち
)
に
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
真
常用漢字
小3
部首:⽬
10画
暗
常用漢字
小3
部首:⽇
13画
闇
常用漢字
中学
部首:⾨
17画
“真暗”で始まる語句
真暗
真暗三宝
真暗黒
真暗三方