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相不変
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あいかわらず
ふりがな文庫
“
相不変
(
あいかわらず
)” の例文
旧字:
相不變
しかし相手は鼻の先へ来ても、
相不変
(
あいかわらず
)
笛を吹き止めなかった。彼は路を譲りながら、天心に近い月を負って、相手の顔を
透
(
す
)
かして見た。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
だぼはぜ嬢は、
相不変
(
あいかわらず
)
の心臓もので、ぼく達よりも一船前にホノルルを去った野球部のDさんやHさんに、生のパインアップルをやけに
沢山
(
たくさん
)
託
(
こと
)
づけました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
姉妹は思わず目を見合せて、ようやく明るい
微笑
(
ほほえみ
)
を交しながら、なおも息をつまらせて耳を
欹
(
そばだ
)
てていた。しかし、隣家からは、
相不変
(
あいかわらず
)
、なんの返事も無いらしかった。
姨捨
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
私はその返事のバスに人ごとながら聴耳をたてたが、
相不変
(
あいかわらず
)
曖昧
(
あいまい
)
な言葉が同じように鈍い調子で響くばかりで、やがて女はあきらめたようすでいなくなってしまった。
冬の蠅
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
父が死んだ後も、母は漫然として、何の新しい収入の
当
(
あて
)
もないのに、家賃の高い
麹町
(
こうじまち
)
の家に暮していた。姉の圭子は
相不変
(
あいかわらず
)
女子大に通い、新子は津田英学塾に通っていた。
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
がその後も私はこの少年が
相不変
(
あいかわらず
)
宮本と仲よく散歩してるのを見た。そして彼は宮本のものだと言うことは皆の公認のようになって行った。私との事は誰れも知るものは無かった。
光り合ういのち
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
と掻き立て乍ら
相不変
(
あいかわらず
)
にやついて居ります。売子だとすると朝は早えな、と訊きますと、へえ、其処を一つ勘弁なすって、何ひょろ、もう一つ職業が有りますんで、と揉手をし乍ら答えます。
陳情書
(新字新仮名)
/
西尾正
(著)
「そして、どんななの、やっぱりお孝さんは
相不変
(
あいかわらず
)
?」
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
B
相不変
(
あいかわらず
)
歌を作ってるじゃないか。
一利己主義者と友人との対話
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
が、電燈も依然として明るければ、軒先の
釣荵
(
つりしのぶ
)
も
相不変
(
あいかわらず
)
風に廻っていて、この涼しい裏座敷には、さらに
妖臭
(
ようしゅう
)
を帯びた物も見当りません。
妖婆
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
やはりたくさんの洗濯物が
仄
(
ほの
)
白く闇のなかに干されていた。たいていの窓はいつもの晩とかわらずに開いていた。カフェで会った男の言っていたような窓は
相不変
(
あいかわらず
)
見えなかった。
ある崖上の感情
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
「こういう少女らしい夢を抱いたまま、埋もれてしまうのも好い」——そうさえ思って、女は
相不変
(
あいかわらず
)
、
几帳
(
きちょう
)
のかげに、物語ばかり見ては、はた目にはいかにも無為な日々を送っていた。
姨捨
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
B
相不変
(
あいかわらず
)
厭な男だなあ、君は。
一利己主義者と友人との対話
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
が、あの
老爺
(
おやじ
)
はとんとそれに頓着する
容子
(
ようす
)
もなく、ただ、二三歩譲っただけで、
相不変
(
あいかわらず
)
とぼとぼと寂しい歩みを運んで参ります。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ある朝彼は女たちに遅れて、例の通り
瀑
(
たき
)
を浴びに行った。季節は夏に近かったが、そのあたりの桃は
相不変
(
あいかわらず
)
、谷間の霧の中に開いていた。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
するとどこからか
大井篤夫
(
おおいあつお
)
が、今日は珍しく制服を着て、
相不変
(
あいかわらず
)
傲然
(
ごうぜん
)
と彼の側へ歩いて来た。二人はちょいと
点頭
(
てんとう
)
を交換した。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
大井は
相不変
(
あいかわらず
)
ノオト・ブックのはみ出した
懐
(
ふところ
)
へ、
無精
(
ぶしょう
)
らしく両手を突込んでいたが、俊助の顔を見るなりにやにや笑い出して
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
相不変
(
あいかわらず
)
君はのんきだな。また認識の根拠は
何処
(
いずく
)
にあるかとか何とか云う問題を、御苦労様にも考えていたんだろう。」
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
が、夕暗の中に
透
(
すか
)
して見ると、彼は
相不変
(
あいかわらず
)
冷
(
ひややか
)
な表情を浮べたまま、仏蘭西窓の外の水の光を根気よく眺めているのです。
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
病室からは
相不変
(
あいかわらず
)
、お律の
唸
(
うな
)
り声が聞えて来た。それが気のせいかさっきよりは、だんだん高くなるようでもあった。
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
星も
相不変
(
あいかわらず
)
頭の上に涼しい光を放っている。さあ、君はウイスキイを傾け給え。僕は長椅子に寐ころんだままチョコレエトの棒でも
噛
(
かじ
)
ることにしよう。
侏儒の言葉
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
俊寛
(
しゅんかん
)
様はやはり今でも、あの離れ島の
笹葺
(
ささぶ
)
きの家に、
相不変
(
あいかわらず
)
御一人悠々と、御暮らしになっている事でしょう。
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼の心の内には
相不変
(
あいかわらず
)
鬱勃
(
うつぼつ
)
として怒が燃え上っていた。が、それにも関らず、この荒れ模様の森林には、何か狂暴な喜びを眼ざまさせる力があるらしかった。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
見物は
相不変
(
あいかわらず
)
、日傘の陰にも、
平張
(
ひらばり
)
の下にも、あるいはまた
桟敷
(
さじき
)
の欄干の
後
(
うしろ
)
にも、
簇々
(
ぞくぞく
)
と重なり重なって、朝から
午
(
ひる
)
へ、午から
夕
(
ゆうべ
)
へ日影が移るのも忘れたように
竜
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかし本多子爵は更に杖の銀の握りで、芳年の浮世絵を
一
(
ひと
)
つ
一
(
ひと
)
つさし示しながら、
相不変
(
あいかわらず
)
低い声で
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
嫌々腰を
擡
(
もた
)
げて見ますと、ここにも
揉烏帽子
(
もみえぼし
)
や
侍烏帽子
(
さむらいえぼし
)
が
人山
(
ひとやま
)
を築いて居りましたが、その中に交ってあの
恵門法師
(
えもんほうし
)
も、
相不変
(
あいかわらず
)
鉢の開いた頭を一きわ高く聳やかせながら
竜
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
新蔵は婆を
睨
(
ね
)
めつけながら、「女にゃ男がついています。」と、真向からきめつけると、相手は
相不変
(
あいかわらず
)
手を組んだまま、悪く
光沢
(
つや
)
のある頬をにやりとやって、「では男にはの。」と
妖婆
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
やがてまた摩利信乃法師は、
相不変
(
あいかわらず
)
もの静かな声で、独り言のように
言
(
ことば
)
を
継
(
つ
)
ぐと
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ちょうど僕も暇だったし、早めに若槻の家へ行って見ると、先生は気の
利
(
き
)
いた六畳の書斎に、
相不変
(
あいかわらず
)
悠々と読書をしている。僕はこの通り
野蛮人
(
やばんじん
)
だから、風流の何たるかは全然知らない。
一夕話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
が、若殿様は
相不変
(
あいかわらず
)
落ち着き払って、御胸の先の白刃も見えないように
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ランプは
相不変
(
あいかわらず
)
私とこの
無気味
(
ぶきみ
)
な客との間に、春寒い焔を動かしていた。私は
楊柳観音
(
ようりゅうかんのん
)
を
後
(
うしろ
)
にしたまま、相手の指の一本ないのさえ問い
質
(
ただ
)
して見る気力もなく、
黙然
(
もくねん
)
と坐っているよりほかはなかった。
疑惑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「どうじゃ、女房は
相不変
(
あいかわらず
)
小言
(
こごと
)
ばかり云っているか?」
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかし藤井は
相不変
(
あいかわらず
)
話を続けるのに熱中していた。
一夕話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
相
常用漢字
小3
部首:⽬
9画
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
変
常用漢字
小4
部首:⼡
9画
“相不変”で始まる語句
相不変皸
相不変朗読