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白魚
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しらお
ふりがな文庫
“
白魚
(
しらお
)” の例文
恋と死神に
憑
(
つ
)
かれたように、右門はここまでふらふらと来てしまった。「
白魚
(
しらお
)
ばし」と
橋杭
(
はしぐい
)
の文字を見た時、はっとした。
柳生月影抄
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
白魚
(
しらお
)
の指の
尖
(
さき
)
の、ちらちらと髪を
潜
(
くぐ
)
って動いたのも、思えば見えよう道理はないのに、てっきり耳が動いたようで。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
打ち
打擲
(
ちょうちゃく
)
はまだしもの事、
或
(
ある
)
時などは、
白魚
(
しらお
)
の様な細指を引きさいて、赤い血が流れて痛いので
妻
(
かない
)
が泣くのを見て、カラカラと笑っていると云った様な実に
狂気
(
きちがい
)
じみた冷酷の処置であった。
二面の箏
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
この上は国元へ
頼遣
(
たのみや
)
った別途の金の到着するのを、写真を膝に指折るばかり、淀文へも存じながら無沙汰したが、その十日ほどに
白魚
(
しらお
)
は椀を
逐
(
おわ
)
れて、
炙物
(
やきもの
)
の端に粒の
蚕豆
(
そらまめ
)
が載る時となった。
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
いつ見ても初物らしき
白魚
(
しらお
)
哉
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
取った湯呑は
定紋着
(
じょうもんつき
)
、蔦を染めたが、黄昏に、薄りと
蒼
(
あお
)
ずむと、宮歳の
白魚
(
しらお
)
の指に、撥袋の緋が残る。
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
白魚
(
しらお
)
のような指の爪に、内には流れているものが、ほの紅く透きとおっていた。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
冒頭に置いての責道具ハテわけもない
濡衣
(
ぬれぎぬ
)
椀の
白魚
(
しらお
)
もむしって食うそれがし
鰈
(
かれい
)
たりとも
骨湯
(
こつゆ
)
は頂かぬと往時権現様得意の逃支度冗談ではござりませぬとその夜冬吉が
金輪奈落
(
こんりんならく
)
の底尽きぬ腹立ちただいまと小露が座敷戻りの
挨拶
(
あいさつ
)
も
長坂橋
(
ちょうはんきょう
)
の
張飛
(
ちょうひ
)
睨んだばかりの勢いに小露は顫え上りそれから明けても三国割拠お互いに気まずく笑い声は
かくれんぼ
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
片手を添えて、捧げたのは、
錦手
(
にしきで
)
の中皿の、半月
形
(
なり
)
に
破
(
わ
)
れたのに、小さな口紅三つばかり、
裡
(
うち
)
紫の壺
二個
(
ふたつ
)
。……その欠皿も、
白魚
(
しらお
)
の指に、
紅猪口
(
べにちょく
)
のごとく蒼く輝く。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『
両国鮓
(
りょうごくずし
)
かい、
白魚
(
しらお
)
の鮓なざ、ちょっとおつだな』
魚紋
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
隅田
(
おおかわ
)
に向いた中二階で、
蒔絵
(
まきえ
)
の小机の前を
白魚
(
しらお
)
船がすぐ通る、欄干に
凭
(
もた
)
れて、二人で月を
視
(
み
)
た、などと云う、これが、駿河台へ行く一雪の日取まで知っているんだ。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「おお、おお、苦しいから
白魚
(
しらお
)
のような手を
掴
(
つか
)
み、足をぶるぶる。」と五助は自分で
身悶
(
みもだえ
)
して
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
こうだに因ってと、あるよあるよ。
白魚
(
しらお
)
をからりッと
煎
(
い
)
り上げて、
鷹
(
たか
)
の
爪
(
つめ
)
でお茶漬が、あっさりとして
異
(
おつ
)
う食わせる。可いかい。この辺に無かったら、吉造を
河岸
(
かし
)
へ見にやんな。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
白魚
(
しらお
)
のような指が、ちょいと、
紫紺
(
しこん
)
の
半襟
(
はんえり
)
を引き合わせると、美しい
瞳
(
ひとみ
)
が動いて
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
浅葱
(
あさぎ
)
の
紐
(
ひも
)
は白い
頸
(
えり
)
から、ふさふさとある髪を
潜
(
くぐ
)
って、
苞
(
つと
)
は両手に外された。既にその
白魚
(
しらお
)
の指のかかった時、雪なす
衣
(
きぬ
)
の胸を通して、曇りなき娘の
乳
(
ち
)
のあたりに、早や描かれて見えるよう。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
白魚
(
しらお
)
という指を
反
(
そ
)
らして、軽くその
小児
(
こども
)
の背中を打った時だったと申します。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何の、火は赤々とあって、
白魚
(
しらお
)
に花が散りそうでした。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
魚
常用漢字
小2
部首:⿂
11画
“白魚”で始まる語句
白魚橋
白魚舟
白魚河岸
白魚船
白魚網
白魚鍋