疎略そりやく)” の例文
一、公儀(信長をう)に対せられ御身上ごしんじやう御理おんことわりの儀、われら請取しやうしゆ申し候でう、いささか以て疎略そりやくに存ずべからず候事。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
畢竟つまり売捌うりさばきの方法が疎略そりやくであつたために、勘定かんじやう合つてぜにらずで、毎号まいがう屹々きつ/\印刷費いんさつひはらつて行つたのが、段々だん/\不如意ふによいつて、二号にがうおくれ三がうおくれとおはれる有様ありさま
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
絶對ぜつたいその犧牲ぎせいをしむものは憎惡ぞうをふにいたらないまでも、相互さうごあひだ疎略そりやくにならねばならぬ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
おつぎは當面まともほこりけるのにはとほきつける土砂どしやほゝはしつて不快ふくわいであつた。手拭てぬぐひはしくつて沿びせるほこりためかみれるのをひどきらつた。それでもそのもとは疎略そりやくではなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)