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ぐわか
それから
又パリの
或カツフエにやはり
紅毛人の
畫家が
一人、一
椀の「しるこ」を
啜りながら、——こんな
想像をすることは
閑人の
仕事に
相違ない。
それが
癖のいつものふとした
出來心で、
銀座の
散歩の
道すがら、
畫家の
夫はペルシア
更紗の
壁掛を
買つて
來た。
其中には、さすが
御大名丈あつて、
好い
繪の
具を
惜氣もなく
使ふのが
此畫家の
特色だから、
色が
如何にも
美事であると
云ふ
樣な、
宗助には
耳新らしいけれども
近代日本のこの
優れた
文人の
筆に
初めて
麻雀のことが
書かれたといふのは
不思議な
因縁とも
言ふべきで、カフエ・プランタンで
初めて
麻雀を
遊んだ
人達に
文人、
畫家が
多かつたといふのと
相俟つて
「
貧乏畫家の
妻として三
年間で三百
圓溜めたあたしの
經驗か?」