爛々らん/\)” の例文
翌朝あけのあさむねくもあふいで、いさましく天守てんしゆのぼると、四階目しかいめ上切のぼりきつた、五階ごかいくちで、フトくらなかに、金色こんじきひかりはなつ、爛々らん/\たるまなこ
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
周章狼狽あわてふためき戸外こぐわい飛出とびだしてると、今迄いまゝで北斗七星ほくとしちせい爛々らん/\かゞやいてつたそらは、一面いちめんすみながせるごとく、かぎりなき海洋かいやう表面ひやうめん怒濤どたう澎湃ぼうはい水煙すいえんてんみなぎつてる。
最後に、彼の女は一人の黒ん坊に面と向って、爛々らん/\たる瞳で睨みつけながら、右手の人差指と親指とをビシッと鳴らすと、彼の五体はたちま鉄棒かなぼうのように硬直してしまった。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
立錐りつすゐの地なしと門前の警官が、絶叫したるもうべなりけり、しもに広き青年会館の演説場も、だ人を以て埋めたるばかり、爛々らん/\たる電燈も呼吸の為めに曇りて見えぬ、一見
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
その次ぎの一葉を、木下も杉野も、爛々らん/\と眼を、ふくろふのやうに光らせて、見詰めてゐた。荘田は、無造作に壱万円也と書き入れると、その次ぎの一葉にも、同じ丈の金額を書き入れた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
ごときくちひらき、爛々らん/\
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
爛々らん/\は光る……
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
此時このときまつたけて碧瑠璃へきるりのやうなひがしそらからは、爛々らん/\たる旭日あさひのぼつてた。