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無上
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むじょう
ふりがな文庫
“
無上
(
むじょう
)” の例文
広
(
ひろ
)
い
野原
(
のはら
)
の
上
(
うえ
)
には、
雲切
(
くもぎ
)
れがして、
青
(
あお
)
い
鏡
(
かがみ
)
のような
空
(
そら
)
が
見
(
み
)
えていました。
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
は、それを
見
(
み
)
ると、
無上
(
むじょう
)
になつかしかったのです。
風と木 からすときつね
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
僕が自分の事を例に出すのもおこがましいが僕なぞは文筆を以て社会を感化するのが何よりの楽みだね。実に人生
無上
(
むじょう
)
の愉快だね。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
強
(
し
)
いて形容詞のなかへ入れられないような人間同志が
無上
(
むじょう
)
の信頼と
哀楽
(
あいらく
)
と
相憐
(
あわれみ
)
とを共にして生きて
居
(
い
)
る。——
家庭愛増進術:――型でなしに
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
当代
(
とうだい
)
の
人気役者
(
にんきやくしゃ
)
宗
(
そう
)
十
郎
(
ろう
)
に
似
(
に
)
ていると、
太鼓持
(
たいこもち
)
の
誰
(
だれ
)
かに一
度
(
ど
)
いわれたのが、
無上
(
むじょう
)
に
機嫌
(
きげん
)
をよくしたものか、のほほんと
納
(
おさ
)
まった
色男振
(
いろおとこぶ
)
りは、
見
(
み
)
る
程
(
ほど
)
の
者
(
もの
)
をして
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
昔しの人は
想
(
そう
)
こそ
無上
(
むじょう
)
なれと説いた。
逝
(
ゆ
)
く水は日夜を捨てざるを、いたずらに真と書き、真と書いて、去る波の今書いた真を今
載
(
の
)
せて
杳然
(
ようぜん
)
と去るを思わぬが世の常である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
固
(
もと
)
より暴君
汚吏
(
おり
)
民を悩まし人を
漁
(
ぎょ
)
したるものも
尠
(
すくな
)
からざりしといえども、概して論ずれば徳川時代の封建政治は、我が国民に取りては、
開闢
(
かいびゃく
)
以来
無上
(
むじょう
)
の善政たることは、
吾人
(
ごじん
)
が敢て断言する処。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
それでいてふしぎに手毬だけを
無上
(
むじょう
)
に愛していた。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
無上
(
むじょう
)
に嬉しくってたまらない。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかるに今の世の夫婦たる者を御覧なさい。
互
(
たがい
)
に双方で満足して人間
無上
(
むじょう
)
の幸福を
享
(
う
)
けている人が
幾人
(
いくにん
)
ありましょうか。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
いまどきこんな
考
(
かんが
)
えをもつものがあろうかと、なんだか、うそのような
気
(
き
)
がしたけれど、
無上
(
むじょう
)
にうれしかった。そして、
急
(
きゅう
)
にこの
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
が
明
(
あか
)
るくなったようで、
希望
(
きぼう
)
がもてたのである。
アパートで聞いた話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
牛の
脊髄
(
せきずい
)
のスープと
云
(
い
)
ったような
食通
(
しょくつう
)
を
無上
(
むじょう
)
に喜ばせる
洒落
(
しゃれ
)
た種類の料理を食べさせる一流の料理店から
葱
(
ねぎ
)
のスープを食べさせる安料理屋に至るまで、巴里の料理は値段相当のうまさを持っている。
異国食餌抄
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
この
故
(
ゆえ
)
に
天然
(
てんねん
)
にあれ、人事にあれ、
衆俗
(
しゅうぞく
)
の
辟易
(
へきえき
)
して近づきがたしとなすところにおいて、芸術家は無数の
琳琅
(
りんろう
)
を見、
無上
(
むじょう
)
の
宝璐
(
ほうろ
)
を知る。俗にこれを
名
(
なづ
)
けて
美化
(
びか
)
と云う。その実は美化でも何でもない。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
殊に彼の性質からでは、一旦欲しいとなったら、
無上
(
むじょう
)
に欲しくなって堪らないのだろう。それともあの紅、紫、青、黄などの絵具が付いていたので、何んか非常に好い物とでも思ったのか知らん……。
不思議な鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“無上”で始まる語句
無上呪
無上権
無上法悦
無上涅槃
無上菩提
無上正徧知
無上正等覚
無上正等正覚
無上寶聚不求自得