“漂泊:さすら” の例文
“漂泊:さすら”を含む作品の著者(上位)作品数
紫式部5
泉鏡花4
吉川英治1
岡本かの子1
島田清次郎1
“漂泊:さすら”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.3%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆0.0%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
たとい修行に疲れ、しょくかわいて、露衣風身ろいふうしん漂泊さすらいに行き暮れていても、
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてこっちは、ゆくりなく、漂泊さすらう旅の路上で、ふと伯母に見出されたという形であらしめ度い。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
仕事は子がいから仕込まれた、——これは名だたる師匠の細工場に籠ってして、懐中ふところのある間は諸国旅行ばかりして漂泊さすら歩行あるく。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
若い時から、諸所を漂泊さすらったはてに、その頃、やっと落着いて、川の裏小路に二階がりした小僧の叔母おばにあたる年寄としよりがある。
絵本の春 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
氷の山、氷の原、氷の谷、空々漠々たる氷の野を、与惣次は目的めあてなく漂泊さすらい出した。
あら情無や勿体なしや、さては院の御霊みたまの猶此をば捨てさせ玉はで、妄執の闇に漂泊さすらひあくがれ、こゝにあらはれ玉ひし歟、あら悲しや、と地に伏して西行涙をとゞめあへず。
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
源氏が須磨すま明石あかし漂泊さすらっていたころは、京のほうにも悲しく思い暮らす人の多数にあった中でも、しかとした立場を持っている人は、苦しい一面はあっても、たとえば二条の夫人などは
源氏物語:15 蓬生 (新字新仮名) / 紫式部(著)
千年も二千年もの昔、まだ村一帯が雪の深い曠原であった頃、(平家の残党であるともいう)一群の南方より漂泊さすらい来た人達が、この辺の曠野の広大さに、放浪の草鞋を脱ぎ捨てたのがこの村の草創くさわけであった。
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
墨染の麻の法衣ころもれ破れななりで、鬱金うこんももう鼠に汚れた布に——すぐ、分ったが、——三味線を一ちょう盲目めくら琵琶びわ背負じょい背負しょっている、漂泊さすら門附かどづけたぐいであろう。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
解官されて源氏について漂泊さすらえた蔵人くろうどもまたもとの地位にかえって、靫負尉ゆぎえのじょうになった上に今年は五位も得ていたが、この好青年官人が源氏の太刀たちを取りに戸口へ来た時に、御簾みすの中に明石のいるのを察して挨拶あいさつをした。
源氏物語:18 松風 (新字新仮名) / 紫式部(著)
墨染すみぞめあさ法衣ころもれ/\ななりで、鬱金うこんねずみよごれた布に——すぐ、分つたが、——三味線しゃみせんを一ちょう盲目めくら琵琶背負びわじょい背負しょつて居る、漂泊さすら門附かどづけたぐいであらう。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
というようなかけ離れた返辞を女はするにすぎなかったが、昔を思ってはだれが原因になってこの方は遠い国に漂泊さすらっておいでになったか、一人で罪をお負いになったこの方に、冷たい賢がった女にだけなって逢っていて済むだろうかと朧月夜おぼろづきよ尚侍ないしのかみの心は弱く傾いていった。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
院がおかくれになりまして以来、すべてのことが同じこの世のことと思われませんような変わり方で、思いがけぬ所罰も受けまして、遠国に漂泊さすらえておりましたが、たまたま帰京が許されることになりますと、また雑務に追われてばかりおりますようなことで、長い前からお伺いいたして故院のお話を承りもし
源氏物語:20 朝顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「突然死なせてしまったと私の思っていました人が漂泊さすらってこの世にまだおりますような話を聞かされました。そんなことがあろうはずはないと思われますものの、また自殺などの決行できる強い性質ではなかったことを考えますと、その話のように人に助けられておりますのが性格に似合わしいことのようにも思われるのでございます」
源氏物語:55 手習 (新字新仮名) / 紫式部(著)